今回の東日本大震災は、明治維新や第二次大戦の敗戦に次ぐ《国難》と言われています。
未曾有の危機です。
櫻井氏はこの雑誌の中で、「カミソリ」「危機管理のプロ」と呼ばれた中曽根首相時代の官房長官-後藤田正晴氏と菅首相を対比しています。
後藤田氏は、内閣安全保障室を立ち上げた際、『信じたくもない、聞きたくもないという類の悪い情報、本当の情報を真っ先に報告せよ』が口癖だったそうです。
「起こりうる最悪の事態と危険性を把握して対策を打たなければ危機管理はできない」とも言っています。
そのために、「内閣5室長制度」(内政、外政、安保、情報調査、広報)を設定し、後の阪神淡路大震災では、官房長官の下、これらの5室長が意思決定して対処したとのこと。
今の政権は、今回の大きな危機に際して、23の会議体を設け、新しい官庁を作るなど、多くの指揮官をつくり、指揮命令系統が複雑で決定権者は誰なのか、誰が責任者なのかが非常にわかりにくい体制になっています。
《後藤田五訓》
①省益を忘れ、国益のみを考えよ②最悪の情報をあげよ③勇気を持って意見具申せよ④自分の仕事じゃないと言うな⑤激しく議論して、決定したことは直ちに命令を実行せよ
上記の5訓は、現代のビジネスリーダーにも通用する内容です。
①について、私益しか考えていない(自分がいかに政権の座にいるか)
②について、報告した部下に対して、「そんなことは聞いていない」とか「どうなっているんだ!」とか言って、怒鳴りつけるそうです。従って、良い情報しか報告しなくなります。
③について、その結果、意見具申などまったく行われなくなります。
このことは、私の会社勤務時代の創業者と似たところがあります。超がつくほどワンマンだったため、悪い正確な情報はトップに入らず、結局、誤った意思決定をしてしまいます。「王様は裸!」状態です。
④について、会議体や対策本部が乱立し、自分の仕事も責任もわからなくなる
⑤について、2ヵ月たっても震災から立ち直っていないので、適切に実行されていない
また、国のリーダーとして、国民の生命と財産を守るため、余計な不安を煽らないために必要な「正確な情報発信」もできていない。
リーダーが正確な情報発信しなかったため、日本は国際社会からの信頼を失い、日本製品の敬遠や日本への旅行の取りやめなど、甚大な経済的打撃を受けた。
これは、菅政権の「情けないリーダーシップ」が生んだ「二次被害だ!」と。
正に、“最大不幸社会”ニッポン!
何度も書きますが、菅氏の次を託すリーダーがいない。
先週の日曜日、日テレで菅氏の支持率を調査していましたが、以前より上昇していました。
非常に不思議です。「国民は何を考えているのだろうか?」と思うのですが、菅氏の次が見当たらない、または国難時にトップリーダーを変えてる場合か?と言うことだと推察します。
世の中の皆様も消極的支持ではないでしょうか?