黄砂の季節 | 社会派Dr.Naruのブログ

黄砂の季節

スギ花粉も終わり、

ヒノキはゴールデンウィーク辺りで終わりを迎えます。

 

しかしこれから一番厄介なのは黄砂です。

 

花粉の時期が終わったのに車がやけに汚れる。

こんな単純な厄介さではありません。

 

黄砂はゴビ砂漠の土壌中に含まれる細菌をくっつけて飛んできたりして、

その中には様々な抗生物質に耐性をもつ細菌がいたり、

非定型抗酸菌という菌がいたりすることは確認されております。

 

非定型抗酸菌は本当に治療が大変な菌で、

結核菌の仲間なので抗結核薬を用いたりするのですが、

結核は基礎疾患がなかったり高齢でなければ

半年程度の治療で治りますが、

非定型抗酸菌症はこれらの薬剤を用いてもなかなか治りません。

 

最近、吸入薬も新たに発売になりましたが、

非常に高額な薬剤で誰でも簡単に開始出来るような薬ではないのです。

 

更にゴビ砂漠から日本に飛んでくるものは当然軽いものなので、

粒子径が小さいのも特徴です。

PM2.5と変わらないものもあります。

 

そして多くの大気汚染物質もくっつけて飛んでくるので、

様々な健康被害をもたらします。

 

気管支喘息の方にとっては発作に繋がったり、

循環器にも影響を及ぼすと言われております。

 

個人的には花粉より厄介だと思っています。

段々陽気も良くなり外で遊びたいのですが、

本当はまだまだマスクは着用した方が良いのです。

 

汚染水うんぬんで日本も嫌がらせをされておりますが、

それならば日本人がもっと文句を言っていい位だと思っています。

 

そして東京は高層ビル群のために様々な場所で空気の淀みがあり、

上空に長く大気汚染物質がとどまるため更に健康被害を受けます。

 

私が勤務医だったら地方の病院の勤務を希望したいと思う位です…