デュピクセントのアトピー性皮膚炎に対する効果 | 社会派Dr.Naruのブログ

デュピクセントのアトピー性皮膚炎に対する効果

重症喘息に対する治療薬でデュピクセントという生物学的製剤がございます。

他の適応症として難治性アトピー性皮膚炎と

難病指定となっている好酸球性副鼻腔炎がございますが、

いずれにおいても非常に効果的です。

 

重症なアトピー性皮膚炎の方は

皮膚に色素沈着があったり、

皮膚がカサカサに荒れてしまったり、

真っ赤になってしまったり、

皮膚が肥厚して硬くなったりします。

 

もちろんこれが見た目にも反映されるので、

患者さんにとってはストレスになると思われます。

 

私自身軽症とはいえアトピー性皮膚炎があるので、

化学繊維の服を着るとかゆみが出て皮疹も出現します。

そのためヒートテックとかも着ると痒くなるため着ていません。

 

冬は皮膚も乾燥するので、

黒い革靴に粉を振ったようになることもありました。

幸い私は徹底的な保湿と皮疹が出現してもステロイド軟膏で速やかに消失するので、

そこまで困ることは無いのですが、

過去に全身性に中毒疹が出来て全身に包帯を巻いた経験もあります。

だから少しは患者さんの辛さも理解しているつもりですが、

重症な方は本当に深刻です。

 

これに対してデュピクセントは本当に効果的ですが、

問題は高額なところですね…

月の患者さんの自己負担は3割負担でも月に3万弱掛かります。

 

でも本当にきれいになり、

真っ赤だったり黒ずんでいた皮膚が肌色になり、

ひっかき傷なども無くなります。

 

そしてこの薬剤が生後6か月のお子さんから適応となりました。

保湿もしっかりやって、

一番強いステロイドの軟膏を使用してもなかなか良くならないお子さん。

その場合はデュピクセント投与を検討しても良いかと思います。

 

お子さんでの投与経験が無いので何とも言えませんが、

今まで成人の症例で問題があったとすると、

血液中の好酸球が非常に高くなり、

それによる合併症の不安ですが、

幸い当院でも深刻な事態になった症例はございません。

ただ他の好酸球性疾患を合併した報告はあるので、

定期的な血液検査だけは必要になるかもしれません。

 

アトピーは見た目でいじめの対象になることもあるので、

アトピーに苦しむお子さんが一人でも笑顔になれるといいですね…