ノエルなふたり〜寝たふり | GIN@V6〜since20xx〜

GIN@V6〜since20xx〜

You've got the best choice!!

 
 
たふりしてる2人を放っといて
 
 
暫く小道を歩き続けて行くと
小さな原っぱに着きました
 
 
 
「そろそろ休憩にしようかなぁ」
 
ひとり言にしては大きな声で言うと、准くんがうーんと伸びをしました
 
途端にフードがモコモコ動き出します
 
 
 
 
「ちょっ、それ俺の」
 
「いいじゃん。サイズ変わんねぇし」
 
「もぉっ、返せよぉ」

「いいから、早くしろよ」


ふふ…そんなに慌てなくても大丈夫
何をしてたかは…みんなお見通しだもの
 
 
 
 
「あ…剛の匂いがする」
 
「俺に抱かれてるみたいでいいだろ?」
 
「えー…本物じゃなきゃヤダ…」
 
「バカ…煽んなよ」
 
「剛が抱かれてるとか言うから…ンっ…」
 
 
 
 
えーと…もしもし?
 
少しは…慌てましょうか
 
 
 
 
 
やっとフードから出てきた二人は
准くんの右の肩に並んで腰掛けました
 
 
「久しぶりだな、この原っぱ」
 
「よくピクニックに来たね」
 
 
ここは昔、剛と健の遊び場だったところ
 
 
 
「二人のお家はここから近いの?」
 
 
准くんが尋ねると、剛と健は顔を見合わせてニヤリと笑いました
 
 
「ウサギならゆっくり30分てとこだな。健が落っこちなきゃ」
 
 
「シカだともっと速いんだけど、剛がビビっちゃっうからね」
 
 
こびと達の移動手段は基本、小動物

准くんには、それが近いって事なのか、遠いって事なのか分からなかったけれど
 
 
二人がよく来てたんだから、それほど遠くはないんだろうと解釈しました
 
 
 
 
「ここら辺には、ないんだよね?それ」
 
「うん…多分」
 
「俺ら、そんなん聞いた事ねぇし」
 
「じゃあ、やっぱりイノッチの森まで行ってみないとダメかな
 
 
准くんは、まだ遠くに見える三角形の山を仰ぎました
 
 
 
 
そう
 
三人が目指しているのは
イノッチが昔住んでいた伐採禁止の森
 
 
「井ノ原くん連れてくりゃ良かったな」
 
「それだとサプライズにならないじゃん」
 
 
 
 
もうすぐイノッチの誕生日
 
 
イノッチを驚かせたくって
准くんにお願いして、森に連れて来て貰ったものの
 
二人にはお目当てのモノが何処にあるのか
ハッキリとは分かりませんでした
 
 
 
「よし、とにかく行ってみよう。これ食べたら出発するよ」
 
 
准くんは、おやつのポテチの残りを一気に頬張ると、指先をチュッと舐めて立ち上がりました