PとMK(PのMedicine)後編 | GIN@V6〜since20xx〜

GIN@V6〜since20xx〜

You've got the best choice!!

 

 

 

DVDは返却用の袋にしまって

少し部屋片付けて

 

 

玄関まで出て、健が来るのを待つ

ドアの前で足音が止まったから

ノブに手をかけた

 

荒い息遣いが聞こえる

 

ふっ

ホントに走ってきた、こいつ

 

 

1秒でも早く抱き締めたくて

勢い良くドア開けたら

 

 

ゴンッ「いてっ」

 

 

「あ、悪ぃ…」

思いっきりぶつけちゃったな

 

 

中に引き入れて、ぎゅーっと抱きしめて

ぶつけて赤くなったおでこにキスして

 

 

「…ハァ…ハァ…剛…薬って…」

 

「ん?」

 

だよな。おでこじゃ治んねーよな

 

 

「中入って」

 

手を引いて、ベッドに並んで腰掛けた

 

 

「…けーん」

 

 

不思議そうに俺を見詰める健を

斜め下から覗き込んで

 

 

まだ少し、息の落ち着かない唇を

掬い上げるように

触れるだけのキスを繰り返した

 

 

「治ったか?」

 

「え?」

 

まだか…

 

 

健の膝の上に跨って

頬に手を添えて

 

今度は深いキスを、角度を変えて何度も繰り返して

 

 

「胸苦しいの、もう治まったろ?」

 

訳わかんねぇって顔してるな

 

「えっと…胸はもう苦しくないよ。でも…ドキドキして、なんだか…熱出てきたかも」

 

ふっ

それ、薬の副作用だから。効いてる証拠だ。害はねぇ

 

「じゃ、今度は俺の番。健…笑って」

頰に手を添えたまま、健を見詰める

来てから、まだ一回も笑ってねぇぞ

 

「え?」

 

また訳わかんないって顔してる

どんだけ鈍感なんだお前

 

 

「俺もおんなじ病気だから。今度は俺が特効薬もらう番。健、笑え」

 

 

「病気って…え?」

 

言わせる気か?ったく…

 

 

「恋患いっつうだろ?胸が苦しいのも、勉強手に付かないのも、多分全部それ。恋の病」

 

 

目を泳がして考えて、だんだん顔が赤くなってきて

 

 

ホント、お前ってバカ可愛いな

 

 

 

 

笑おうと笑うまいと

なんなら怒ってたっていいよ

 

そばに居てくれるだけで

 

 

それだけでお前、特効薬だから

 

 

 

 

ところで

 

俺もお前も、取り敢えず治ったけど

いや、治ったっていうか…症状は落ち着いたけど

 

 

ぶり返さないように

 

…注射…しとく?