一攫千金! | ごろつき中年ニートの怒りと弱音の日々

ごろつき中年ニートの怒りと弱音の日々

新宿歌舞伎町でホスト、ソープ、ポン引き、ボッタクリ、取立て屋、カジノ等の職につき、

一時はカジノ、麻雀荘、喫茶店等を経営していた男の、落ちぶれニート生活!!

私は悩んでいた。


50万円は手付かずのまま、まだ財布の中にある。


50万円あればバカラに行ける。


バカラは簡単で良い。


プレイヤーかバンカーのどちらかにチップを置くだけで、当たれば2倍になり
外れれば取られるだけだ。

麻雀のように自分の手牌が、上がり不可能なのに、ツモって捨てるという
虚しい動作をする必要が無い。


しかし、バカラは怖い。ツキが無ければ、50万円は10分で無くなるだろう。


だが、大勝する可能性もある。


現に私は20年ほど前に50万円を1500万円にしたことがあった。


当時私は仕事をしておらず、完全なる遊び人だった。博打仲間から借金をし

勝ったら金を返して、キャバクラに行き、負けたら更に借りる生活を送っていた。
世の中、好景気で、私に借金の催促をする者は居なかった。


ある日、百万円を借りていた友人から電話があった。


「今、バカラ屋に居るんだけど遊びに来ない?」


友人は私が金を持っていない事を承知で誘っているから、金を貸してくれるということだ。


私は直ぐに歌舞伎町のカジノに向かった。店に入ると友人の他に

50歳前後の店長らしき男と、韓国人ディーラーが2人、そして、客が3人居た。


一文無しの私は、最初から友人に借りた50万円を全部プレイヤーに張った。

プレイヤーに張った理由は、5%のコミッションがかからないというだけだ。


私の左隣に座っていた友人が、勿体ないから10万ずつ張れと言ったが、
当時イケイケだった私は聞く耳を持たなかった。


その勝負は私が張ったプレイヤーが勝った。私はチップを引かずに置きっ放しにした。


次もプレイヤーが勝ったが、今度も私はチップを引かなかった。


4連勝して800万円になったところで、私は800万円が惜しくなり、少し弱気になった。

それに気付いたのか、友人が私のチップを勝手に引こうとした。


臆病な心を見透かされたと思った私は反射神経で友人を制した。


私は800万円を張らざるを得なくなった。


その店のバランスは100万円だった。いくら私がプレイヤーに800万円張ったところで
バンカーに700万円張る者が居なければゲームは成立しない。


私はバンカーに張る者が現れない事を願った。


私が虚勢を張ってることは、恐らくその場に居た者、全員が気付いていたと思う。

それを許すまじという空気が生まれ、3人の客が合計700万円をバンカーに張った。


その時、私には、彼らの無言のメッセージが聞こえた。


「まさか、カットされるのを前提に800万円張ったんじゃないだろうな?格好つけるために……

そうはさせない。一度チップを置いた以上勝負してもらうよ」


ディーラーがカードを出し始めた。


もう後戻りは出来ないと私は開き直った。


バカラは2枚ないし3枚のカードの合計が9に近い方が勝ちだ。


私の前に2枚のカードが置かれた。


これを外したら、再び友人が金を貸してくれる保証はないし
借りたところで又、800万円にまでする自信も無かった。


カードをシボる手が震えた。


一枚目は絵札(0)だった。


絵札をディーラーに投げ返して、もう一枚のカードを縦からシボった。
足がある。横からシボるとスリーサイドだった。6点~8点ということだ。


普段なら喜ばしい組み合わせだが、800万張っていた私は9点の可能性が
無くなったことにガッカリした。


気を取り直して私はカードを少しずつ捲っていった。


マークが現れて欲しい場所にマークは現れず、辛うじて片方だけマークが現れた。


私のカードは7だった。


私の7を確認した上で、相手がカードをシボり始めた。


直ぐにオープンせずに、じっくり時間をかけてシボっているということは

組み合わせが良いということだ。


私はもう相手の方を窺い見る勇気も無かった。


時間が経つほど私は諦めモードに入っていった。


暫くしてディーラーが、声を上げながら台を2回叩いた。


「セブンドロー」


バンカーのカードは4と3で結果は引き分けだった。


私は恥も外聞も無く、慌てて800万円分のチップを全て引いた。
隣に座った友人が、笑顔で「うん、うん」と頷いていた。


バンカーサイドに張っていた連中は、さぞ蔑んだ目で私を見てるだろうと
思ったが、チラっと見ると、彼らもほっとした表情だった。


3を先に見ていれば負け無しで、残念がっているはずだから
4を先に見て、勝ち無しの状態から、3を引いてドローにしたということだ。


ドローの後、私はベットを下げて200万円をプレイヤーに張って当たった。


当たったというのに、私は800万円を置いておけばと悔しがった。

その後もプレイヤーが続き、200万円ずつ張っていた私の持ちチップは1800万円になった。


結局プレイヤーは9回続き、10回目、遂にバンカーが出た。


私はベットを100万円に下げてプレイヤーに張ったが、次もバンカーだった。

2連敗した私は、1500万円分のチップを、全て換金して、友人に200万円を渡してカジノを出た。


元々あった借金百万円と当日の50万円を返し、利息を50万つけたことになる。


店に居た時間は僅か20分だ。


僅か20分の間に、百万円の借金が無くなり、1300万円の現金が手に入った。


今だったら有得ないことだ。


当時はサービスが無い代わりに、いつ帰っても良いルールだったが、今は買いの1割の

サービスが付く代わりに、100ゲーム前後付き合わなければならない。


それに、ほとんどのカジノのビッグ(最高レート)はバランス20~30万円で
客も一張り5万円~20万円位だから、一度に50万円も張れないだろう。


昔話が長引いたが、バカラに行くかどうかの結論は未だ出ていない……


1500万円とは言わない!200万円勝ちさえすれば、私の悩みは全て解消する……


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