民主党は最近、自民党が喜ぶ事ばかりしているが
一体全体、何を考えているのだろう?
今年5月のガソリン税復活の時点では、与党に17ポイントもの差を付けて
政権奪取が確実だったのに、僅か半年足らずでどちらが勝つのか
全く判らなくなってしまった。
NNN世論調査
次の衆議院選挙で議席を伸ばしてほしいのは?
5月 今月
民主党を中心とする野党 47.6% → 41.6 %
自民党を中心とする与党 30.4% → 39.6 %
ガソリン税廃止や、高速道路無料の美味しい餌をぶら下げた上で
差が無いということは、心情的には自民のほうが、まだましだと国民は
考えているのではないだろうか?
衆議院選挙寸前に、自民が何か魅力的な公約を一つ提示すれば
そのまま自民が勝ってしまいそうだ。
ここまで、差が詰まってしまったのは、決して自民が努力した訳では無く
民主の失点によるものだ。
実際に政権を担当すると、何か問題が生じるため、わざとイメージダウンに
なるように行動しているようにしか見えない。
そうで無ければ、民主は何故、代表選に立候補しようとしていた野田佳彦を
辞退させて、わざわざ人気の無い小沢を無投票で再選したのだ。
次期内閣総理大臣にふさわしいのは?
麻生太郎 56.2 %
小沢一郎 22.6 %
2008/10/12 NNN世論調査
小沢に人気が無いのは何も今に始まった事では無く
1991年の小沢面接からだ。
小沢面接とは、当時自民党の幹事長だった49歳の小沢 一郎が自民党総裁選に
立候補した、渡邉美智雄(68)、宮澤 喜一(72)、三塚 博(64)
の三人を呼び出して面接したことをいう。
実際は小沢が呼び出したのでは無く、三人の意思で出向いたようだが
国民の目には若い小沢が、自分より一回りも、二回りも年上の老人達を
呼び出し、頭を下げさせて、自分の実力を誇示しているように映った。
当時、マスコミは小沢のことを剛腕ともてはやしたが
国民は傲慢としか思わなかった。
17年前、中学生だった者は今三十歳になっている。
現在三十歳以上の者で、小沢に対して良いイメージを持っている者は
ほとんど居ないのではないだろうか?
民主党の代表になって、久しぶりに表舞台に立った小沢だが
空気が読めないのは相変わらずだった。
その一つが自公との大連立構想だ。
昨年の参議院選挙は民主の政策が有権者の支持を受けた訳では無く
単にアンチ自民の票が、民主を勝たせただけだ。
その民主が自公と連立を組むということは、民主に票を投じた有権者に対して
これ以上の裏切り行為は無い。
与党の独裁で、何か問題が生じた時の国民の逃げ場として民主は存在していたはずだ。
連立が成功していたら、民主の存在価値はゼロになり、社会党(現社民党)と
同じ道を歩み、消滅の危機に瀕する前に党は分裂し、壊し屋小沢は又一つ
勲章を増やすことになっただろう。
今にして思えば連立に失敗した小沢が、代表を降りると言った時が
民主にとってのターニングポイントだったのかも知れない。
民主はあれだけ苦しめられたというのに、小泉ブームの検証をしていないのだろう。
小泉元総理が中曽根、宮澤を引退させたのを真似て、小沢を代表辞任だけでは無く
党に無断で連立の交渉をしたという理由で、追放してしまえば良かったのにと私は思う。
そうしていれば、無党派層の支持を得られただろうに、追放どころか
逆に慰留しているのだから目も当てられない。
小沢贔屓の者はそんな事をしたら、50人が党を割って出ると言うだろうが
政治家にそんな義理堅い者が大勢居るとは思えない。
自分の政治家生命を賭して、不人気の小沢について行く事には
意味が無い。せいぜい10人位のものだろう。
そして小沢の暴走は連立政権構想だけでは留まらずに、亀井、綿貫らの
国民新党との合併を試みた。
郵政選挙から三年が経ったが、国民新党の面々を含む造反議員に対する
悪いイメージは未だ国民の頭から消えてはいない。
それは彼らが、民営化に反対したからでも、造反したからでも無く
目的達成のためなら、どんな嘘でもつくし、こじ付けもするという
下品な人間性が国民に受け入れられないからだろう。
国民の造反議員に対する憎悪は、かなり根深いし強力だ。
衆議院で与党に三分の二の議席を与えたのは郵政民営化への
賛成票というより造反議員に対する反対票の意味合いが強い。
平成16年の第20回参議院議員通常選挙時、自民は造反することを半ば公言していた
荒井広幸の名を比例名簿に載せたために、小泉ブームのさなかでありながら
得票率で民主に僅か2%弱にまで肉迫された。
そして、2006年11月、安倍総理が造反議員11名を自民党に復党させた時も
一気に国民の支持を失った。
当時のNHKの世論調査では10月に安倍が総理に就任した時65ポイント
あった内閣支持率が、11月に造反議員を復党させた後の12月の調査では
48ポイントと17ポイントも下がり、その後の参議院選挙で敗北して
ねじれ現象を生んだ。
大袈裟に言わせてもらうと、国民新党と合併するということは衆議院で与党に
三分の二の議席を与えた有権者を敵に回す事になりかねない。
それでは、たとえ国民新党の9票を取り込んだところで、民主は
次回衆議院選挙で何議席失うか予想もつかない。
前回の自民大勝利の衆議院選挙も、民主圧勝の参議院選挙も
無党派層がその当落を決めている。
このまま何事も無く選挙に突入すれば、それこそ当たりくじの入っていない
福引みたいなもので、無党派層の投票率は下がりそうだ。
そうなると政党支持率が民主より四割ほど多い、自民が有利になるだろう。
世論調査の結果からすると、国民の希望は民主党政権で、総理は小沢以外でということだ。
だとすると、小沢の国替えには深い意義がある。民主が政権を取るには
それしか無いかも知れない。
無党派層は小沢が岩手から出馬するなら、自民に入れるし、国替えするなら
小沢の落選を祈りつつ、民主に入れるような気がする。
しかし、民主にとってベストなのは、もちろん国替えでは無く、選挙前に小沢が
代表を辞任するか、あるいは引きずり下ろすかだ。
小沢を切って、政権を取るか?
政権は取れなくとも、衆議院三分の二を解消しただけで良しとするか?
民主がその判断を下す時期はもうそろそろだ。
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