仁太劇場 「白の男 その5」 byニョロ
茄子で・・・
はたして茄子で人を殺したのだろうか?
解からない・・・。
殴ったのか・・・?
まさか。
茄子に毒を入れたのか・・?
そんな、ありえない。
いや茄子は何かまったく別の暗示かもしれない。
「どうやったにせよ、俺が・・・
俺がこの手でヤマミを殺したのだ。」
それは間違いない・・・感触が残っている・・・気がする。
いつもただ怯えているようにしか見えなかったヤマミ。
法律を勉強していたヤマミ。
犯罪を犯していたヤマミ。
男の生徒だったヤマミ。
はたして男はただの教師だったのだろうか?
まだ多くのことを思い出せないが真っ白な男の頭の中に微かだが影が見え初めている・・・・
果たして何故この街にやって・・・いや、戻ってきたのか?
1週間ちかくが経っている・・・。
そうだ、ヤマミは眼鏡を血のついた手に持ち、静かな神社のベンチにもたれていた。
男はその死に顔だけはハッキリと思いだしていた。
つづく