最近、トランプ大統領が「一つの中国」の原則を無視したなどと報道されるが、そもそも「一つの中国」は矛盾した話である。
「一つの中国」とは、北京に首都を持つ中華人民共和国と台湾は、一つの国であり、中華人民共和国が正式な国家であるというものである。台湾は国ではなく、中国の一地域という扱いである。
元々、清朝が倒れた後の中国の政府は蒋介石の中華民国だった。ところが、日中戦争により疲弊したところに毛沢東の共産党と内戦となり、毛沢東の共産党が中国を支配、蒋介石は台湾に逃れた。中国は台湾に侵攻しようとしたが、撃退され台湾は蒋介石による中華民国と名乗る。米国は当初、中華民国を正式な政府としていたが、ニクソン大統領だかのときに中華人民共和国と国交を樹立し、中国共産党を正式な政府と認めた。そのとき、台湾は中華人民共和国の一部とする「一つの中国」の原則が成立した。現在でも、1地域として国際的には中国と別の扱いを受けることもある状況である。
矛盾と言うのは、中国に対して米国は兵器を販売していないが、台湾には兵器を供与している。とか、台湾とは別の協定があるとかそんなことだ。
日本も同じく、長年台湾とは密接な関係にあるが、現在は中華人民共和国が正式な国家と認めており、「一つの中国」の問題が言われるようになってから、公式には台湾との首脳会談は行われていなかった。しかし最近台湾の総統が訪日して安倍総理大臣との首脳会談を実施したと思う。
これが、公式には北京を中国の政府としておきながら、台湾を支援するという矛盾である。
トランプ大統領は、「だって台湾には武器売ってんじゃん」と言って、台湾と公式にお話ししたということである。
米国では、武器は、共産圏には売れないし政府の許可がないと売れないので、政府が関与していないことはありえないからだ。

ということで、建前を無視したトランプ大統領が非難されたってことである。
いやー、米中の争いの間に、漁夫の利を得られんかいな?

ところで、最悪のシナリオは、米国が東アジアを中国の委ねることである。
米国が天下三分の計で、ロシア・中国と世界を分割したりしなければよいのだが。
そのとき、ロシアが東ヨーロッパから中近東、中国が東アジアから南アジア・オセアニア、米国が南北アメリカから西ヨーロッパ、アフリカはつかみ取りかな。でも、イスラエルを米国が放棄はできないから、もう少し細かく整理されるか。英国と仏国は分裂してまとまりが無いので対向できず、米国にくっついているしかない。日本の意向は顧みられない。
これは当面の中国の主張に米国が乗った場合の極端な想像である。
本日の朝日新聞によれば中国企業が外国の港や土地を何十年も借り上げることが増えているそうだ。スリランカでは、開発する金融街を99年間借り受け、独自法の適用を検討しているらしい。英国がアヘン戦争かなんかの結果強制的に租借していた香港のような「租借地」になる可能性もありらしい。
中国は、莫大な予算を貸し付けており、その見返りとして開発権を中国企業に与えることや地域の租借を要求しているようだ。中国の貸付金利は、円借款に比べればかなりの高利子らしく、貸付額も国家予算の数分の1となっている場合もあるそうで、容易に返却できないらしい。そのため、中
国政府の要求に対して拒否ができないような状況になっているようだ。
日本が肩代わりをすることは、どうなのだろう?中国とはもめるだろうし契約上も違約金が発生する可能性もあるので一概に利があるとは言えないが、検討できないものだろうか?下手なODAよりもよほどその国のためになると思うのだが。
トランプ大統領が日本の低金利政策を批判しているようだ。為替操作は国際的に禁止されているが、国内事情による金利政策は認められているらしい。日本の金利政策は、国内の景気回復が目的だが、もちろん円安を誘発し輸出をしやすくする効果がある。なぜ、認められているかがそもそも怪
しいのだが、それは「原則はあるけどそれぞれ事情もあるしねぇ、大きな影響が出ない範囲ならいいんじゃね。」というような大人な暗黙の了解があるようだ。それをトランプ大統領は無視した形である。言うのは勝手なので、文句を言うのは仕方がないが、日本としては毅然とした態度をとるべきだろう。要は、米国も米国第一なら日本も日本第一だよということだ。日本の経済に効果があると思えば、金利政策も行うという意思表示はすべきだと思う。