来日間もなく
日本語が不便な小中学生の
サバイバル日本語の授業は
市や区によって違うのだけれど
大体が40時間から70時間と幅が広い。
前回は40時間で
今回は50時間。
前回は延長のリクエストがあったものの
自治体が不可ということで叶わず。
でも今回は延長が可能な自治体。
学年主任や担任の先生方は「これで終わりなんですよね」と
それぞれ別に聞いてきた。
当初会社からは50時間+状況次第で延長可能との話だったので
延長は可能なんだと思う。
とはいえ、ワタシの方から
「延長できますよ」、「延長希望の旨、会社に伝えておきます」
というのはなんだか違う気がして。
「これでおしまいなんですよね?」
「どうしよう」
先生方はそう言ってくださった。
もし、ワタシが先生たちの立場なら
ダメもとで会社に掛け合う、間違いなく。
いつも、どんなときも
自分の希望や要望はダメもとで確認してみるようにしている。
仕事の際に、条件や待遇では
気まずい雰囲気になる可能性が出てくるため
怖さもでる。
でも、だからといって
飲み込んだり、我慢したりすると
必ずどこかで違和感やズレが出てきてしまうから
最初に怖さを乗り越えるのは大事だと思っている。
今回の日本語指導の延長
先生方にとってはマイナスになることは一切ない。
お金がかかるわけでも、何かを変更するわけでもない。
ただひとつ問題なのは
「延長できない」という思い込み
を持っていること。
これまでも
学校の規則や修学旅行の準備など
本来担任やスクールカウンセラーが行うことを
通訳という名目でワタシが行ってきた。
実務と雑務に忙殺されて
考える余裕のない先生方が
焦りと戸惑いで
雑な説明をして
中国人中学生が理解できないことに対し
責めたり、態度が悪いと
解釈することはちょっと違うと思っていたので
中国人中学生の理解力が足りない、とか
自主性が少ない、とかの前に
何事も具体的に表現する中国語や中国人の考え方についてを伝え
先生方の
説明の仕方、指示の出し方、段取り
を中国人向けにする必要があることを伝えた。
とはいっても
すぐに対応できるものではないので
結局は日本に来て、日本語を話せない彼女が
悪者にされてしまうのだけれど・・・。
5か月前、彼女と初めて出会ったとき。
まったく日本語が話せないだけでなく
授業態度が悪い
ウソをつく、など
要注意人物だった。
実際に話してみても
人の話は聞かないしで
印象はすごく悪かった。
だからこそ、
ダメもとで
彼女のことを何度も叱ったし
ワタシの授業を聞けないならば、
担当をやめると彼女に告げた。
ダメもとって
最初はいつも怖い。
今は随分慣れたけれど
それでも彼女の態度について意見するときは
やはり緊張した。
会社に彼女について聞いた時も
ダメもとで交渉した内容もいくつかある。
今になってみると
彼女の指導を通して
ワタシはまた成長できた。
眠い眠いと毎回言う彼女に少しでも楽しんでもらえるように
少しでも日本語を面白がってもらえるように
図書館に通ったり、中国語の文献もたくさん読んだ。
ダメもとで怖さや緊張を超えて自分の想いや希望を
相手に伝えてみたことによって
それが受け入れられたことで
気持ちよく、ガッツリ彼女と向き合えた。
新しいことやちょっとハードルが高いことに挑戦するとき
自分の想いや希望をダメもとで相手に伝えてみる
ということはすごく大事で。
そのおかげで腹が決まって
乗り越えていけるんじゃないかと
そして、新しい世界にいけるんじゃないかと思う。