【4】困難を乗り越えて運命を書き換える -コーチ全力を尽くす- | 中国語エッセイの本棚

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2018年、中学を卒業した姜雨荷はいまだ

「出稼ぎ労働者」として、工場の組み立てラインで

不眠不休で働いていた。

出稼ぎ半年後、彼女は学校に戻り、河南化工技師学院(以下”河南化院”)に

入学し、学びなおし、生まれ変わった。

 

2022年11月、姜雨荷は世界技能大会で金を取った。

”化学実験室技術”の項目ではこの20歳の女の子が中国チームの金メダル0を

打消し、ここから彼女は最も若い河南化院の教師になったのだ。

 

 

-コーチ全力を尽くす-

 

優勝までの道のりでは、姜雨荷だけでなく

彼女の三人のコーチも全力を尽くした。

彼女がひとり実験室で操作の練習をしていたときは

コーチたちもずっと一緒にいて、彼女に出題し、指導をした。

 

主任コーチ賀攀科は、彼女の中で「わからないことはない」という存在である。

「彼にたずねた問題の中で、彼はひとつもできない、わからないと言ったことはなく

難しい問題も資料を見つけ、答えを探し出し、そして明確に私に説明してくれた」と

姜雨荷は言った。

 

日々練習を行う中で、たとえ実験が午後の1時までかかったとしても

コーチは彼女を待っているか、もしくは昼食を持ってきてくれるのだった。

この耐えがたい厳しい訓練の中で、コーチの伴走と指導により

姜雨荷の中の逃げたいという気持ちが打ち消された。

彼女はひとりで乗り越えたのではなかった。

 

全国大会に向けて準備をしていたとき、三人のコーチは姜雨荷に

たくさんの新しい問題を作ってやらせ、彼女の応用能力を鍛えた。

「新しい問題が出てくる過程を私たちも試してみて、この問題は解けると

確定すると、彼女に解かせてみた」と龚玉印は言った。

 

のちに世界技術大会に参加し、新しい問題に直面した際、

姜雨荷はすぐ問題に溶け込めた。

 

世界技術大会の問題は英語で出題されるため、参加選手はまず問題を理解し、

それから操作ができるのである。

実験報告も英語で書かなければならず、これが国内大会と世界大会の

明確な違いなのだ。

 

多くの大学生に言わせると、英語は極めて困難な問題で

さらに中学校卒業の姜雨荷にとってはなおさらだった。

 

当時、三人のコーチは一丸となって彼女に専攻科目の英語を教えた。

それは、姜雨荷が少しでも早く世界大会に慣れるためで

コーチは早々と過去問を英語に訳し、彼女に解かせた。

 

そして頻出単語をピックアップして、彼女に暗記させた。

のちに学校近い事務室のある先生が留学から帰ってきたため

コーチたちは姜雨荷に会話を教えてくれるよう頼み

彼女に26のアルファベットの音から始めさせた。

 

もちろん、基本的には自分自身で勉強を進めた。

英語は大きな山であり、攻略の近道はなく、

地道に努力を重ねて成し遂げるのごとく、ひとつずつ覚えて

一歩一歩着実に進んだ。

 

世界技能大会の特別大会で、11頁に渡る英文の実験報告を提出した。

当時、姜雨荷は母国語が英語の外国選手が彼女に向って親指を立てたのを見た。

 

コーチは姜雨荷を学校と協業の「実験」というポストに就かせ、

仕事でさらに実用な実験状態を体験させた。

このような細部にこだわった訓練方法により、自分がどこで力を発揮すればよいのかを

姜雨荷に理解させた。