おそらく蘇州の人々の繊細さは非常に控えめで、
華やかではなく、妖艶でもない。
爽やかでエレガント、ピュアでナチュラル。
今見ると、蘇州で最も保存状態の良い通りは緑豊かで、白い壁と黒い軒があり
気候はさわやか。
20年前、私は蘇州の街頭で「江南の春は2杯のお茶から始まる」
という広告スローガンを見た。
的を得ている。
2015年の夏、イベントでとある場所に行った。
ある先生はとても熱心で、イベントが終わった後、
潮州のシーフードを食べるために大きなレストランに招待してくれた
(その街は潮州から遠く離れている)。
何度も何度も断ったが、
いつも「遠慮しないで! 遠慮しないで! といわれ
私自身はご当地に行けばご当地のものを食べたいのに
なぜそシーフードを食べるのか......と思っていた。
数日後、蘇州に着くと、
ラジオ局で働いていた蘇州の友人が、
何も聞かずにレストランに連れて行ってくれた。
うなぎの餡、もち米の砂糖の蓮、酒、
そして大きな鍋の温かいはぎょの肉と肝のスープが振る舞われた。
感動して涙が出て、物質的にも精神的にも
親友に出会ったような気がした。
これこそが、
蘇州の料理にしみ込んでいる
優雅さ、繊細さ、人情なのだ。

