「模擬国連」という言葉を聞いたことがありますか。

これは、

国連会議のシミュレーションを行なう教育・サークル活動のことです。

最近、この模擬国連に本校も取り組みたいということで、
昨日、O高等学校に先進校視察に行ってまいりました。


模擬国連について、
もう少し詳しく言うと、次のようになります。


模擬国連は一人が一国の大使を任され、特定の議題について担当国の政策や歴史、外交関係などに照らし合わせて、実際の国連における会議と同じように議論、交渉し、決議を採択することを目的とし、国際問題への理解や交渉術の深化を図る。 会議によっては二人で一国を担当する、議題が設定されていない、決議を採択することを目的としない、また国連以外の国際機関での会議をシミュレートすることもある。 大学サークルとしての研究会・支部における通常活動が一般的だが、高校生を対象としたグローバル・クラスルームや大学生以外も参加出来る全国大会などもある。
(Wikipediaより)


そのときに対応してくださった先生から聞いたお話を
レポートいたします。

(1)O高校の模擬国連に関する取り組み(実施形態)

○授業で全生徒を対象にした取り組みではない。
 出場する2人のみに指導している。 
 (全校で取り組んで最終的に2人に絞って出場させるという流れなら可能か)

○他校との練習試合等はしていない。
 (ディベートではF高校とSkypeで試合をしている)
 *情報を調べるのに精一杯。


(2)全国大会に出場するために
○選抜審査のためのエッセイが書けるかどうか。
・参加希望理由(英語400words)・国際問題について解決策を述べる(日本語800字)

○全国大会出場は可能だが,本選は大変難しい。(レベルが高く流れに乗れない,不完全燃焼)
 ・日本語による交渉すら難しい。それを英語で発表するのはさらに難しい。

(3)全国大会に出場する意義

【利点】○全国レベルを知ることができる ○参加者個人の自信になる。

【なし】学年への貢献,英語力の急激な伸び,学校アピールには現時点ではつながっていない。


(4)出場生徒に必要な資質
○英語力だけでなく,国際的な課題に関心・アイデアがあり,発表しようと思うやる気のある生徒

(5)指導者に関すること

○指導期間:エッセイを提出する9月~本選の11月の2ヶ月間がメイン。

○全国大会出張:2日泊(前泊+2日間の大会の初日)*生徒負担費用なし。


ということでした。


これを受けての所感は次のようなものです。

○O高校のT先生に伺った話によると,
模擬国連の取り組みは簡単ではないということが良くわかった。

○しかし,全国大会に出場できれば,
 国際問題に関心のある生徒や意識が高い生徒にとって,
 全国レベルに触れることができるのは大変刺激となる機会となることも分かった。

○本校が目指す「国際社会で活躍できる人」を育成するには意義のある取り組みだが,
 全校の取り組みとするには,使用言語を日本語にする等の工夫が必要だと思う。

○学校で実施するには,英語科だけでなく,社会科,進路等との連携が不可欠である。

○本校で対象人数を絞って実施する場合,
 全国大会出場審査のためのエッセイ作成が一番力を入れるポイントだと思う。

○最後に、「模擬国連の意義」を3つ示して終わろうと思う。
 (公文国際学園高等部〈米山宏先生〉)より

 ①英語学習へのモチベーションの向上
 ②国際問題への深い関心の醸成
 ③積極的な発言力,交渉力の涵養



昨日今日と話を進めていますが、
総合的な学習による学年全体の指導ではなく、
希望者を募って少人数での取り組みにしようか、という流れになっています。

高校ならではのハイレベルの課題にチャレンジできそうです。