本日、本校の数学の先生の授業を参観させてもらいました。

数学?他教科?と思われるかもしれません。

生徒から
「○○先生の数学はとてもわかりやすい」という声を
よく聞いていて、
いつか見学させてもらおうと思っていたからです。

ということで、昨日授業参観のお願いをして、
本日の7限、自分の担任しているクラスの授業を見学してもOKという、
許可をいただいたというわけです。

生徒と同じように座席に座っての参観としました。
勉強になりますね~。

立って参観すると教師目線。
座って参観すると生徒目線。

先生を斜め前に見上げる生徒目線からは、
先生の言動に対して、
生徒の心情が心から素直に出てきます。

今日は、その気持ちを書きとめた1時間でした。

少し整理して、いくつか下に記してみたいと思います。

今まで当然のようにしてきた指導者の動きについて、
その良さがわかったことや、
逆にどうなのかな、今後考えていくといい改善ポイントになるかも、
という点が見つかりました。


(1)号令
やはり授業開始時は、立って一瞬のsilenceがあることで、
休憩時間から気持ちを切り替えるきっかけとなる。


(2)出欠確認時

先生が出欠確認をしているとき、特に指示がなかったので、
生徒はボ~っ休憩していた。

小テスト等があるのなら、その練習をさせておく等すれば、
この時間がuseful timeとなるだろう。


(3)座っている生徒の心理

椅子に座っていると、基本的に気持ちは自然に受け身になる。
聞き手だからだ。

英語のペアワークの時も、静かに一人で学習したい、
と思っている生徒も当然いるだろう。

ペアはめんどくさい。一人で学習する方が楽、
という生徒もいるだろう。

【対応】
このような生徒には、「分かる」だけでなく、
「できる」ようになるには、聞くだけでは十分でないことを、
Learning Pyramid等の知見(諸説あるが)を示しながら、
教えるとよいと思う。

自分が「する」から伸びるのだ。


(4)復習

授業で前時の復習をしてもらったら、生徒は
ありがたいと思う。
(復習の大切さは頭では分かっているが、
 なかなか自分ではしない。
 授業で先生がしてくれたらありがたい)

授業アンケートでも、復習については、
生徒の要望も高い。
目的を見定めて、復習を入れていく。


(5)周りの人が指名されたとき

もしかして「自分も当てられるかも」と思う。
他の生徒が答えているときも、
それを聞いている。


ランダムな指名(列ごと等ではなく)によって、
生徒の参加意識(主体性)を高めることができる。


(6)「誰か答えられる人、いる?」

この一言で考えようとした。
「できたい」と思うから。
しかし、多くの場合、答えに自信はないので、挙手はしない。

挙手がなくても、この言葉によって、
生徒の意識は高めることができる。


(7)先生の説明中

先生の質問を顔を上げてしっかり聞いていると、
話は理解できるが、板書をノートに写していると、
メモしているところと、説明されている場所が違うので、
説明が頭に入らない。

【対策】
説明中は、ペンを置かすなどして、
説明に集中させる。その分後で、板書を写す時間を
保障するなどする。

先生の説明を皆が聞いているわけではない。
特に下を向いている生徒や、板書を写している生徒は、
聞いていることが頭に入っていない可能性が高い。

【対策】
説明の中でもポイントのときは、
「ここポイント。よく聞いていてよ」等の言葉を
かけると、生徒の注意をよりひきつけることができる。



(8)「書いたら鉛筆置いて」


生徒の意識を集中させることができる一言。
生徒も、「先生は、何かをさせたいんだな」ということを
感じる。


(9)「もうちょっと待ってね。まだ書いている人いるから」


「先生は全体を見ているんだ。そして、やさしいなぁ」と思う。


(10)公式について


公式を聞いても、「なぜ」その公式を使うのかわからないと、
納得できない。

公式をあてはめるだけでは、納得しない生徒もいるだろう。
前時に説明したことでも、欠席者がいた場合などは、
再度説明がいるだろう。(納得感を高める)


(11)板書

自分で公式をノートに写してはじめて、
今何を学習しているのか理解できた。

書かせることで、現在していることを
より意識させることができる。


(12)練習問題

この前に先生の解説を聞いていても、一人でするとなると
難しい(すべて自分で考える必要があるから)

このとき、「何かあったら言ってな。まわるから」の一言で、
生徒は「ありがたい」と思う。

練習問題で使う公式が、黒板の左側の方に残してあれば、
参考になる。

練習問題をする「目安の時間」が伝えられればより充実する。
「制限時間効果」と「見通し効果」で授業の密度が高くなる。


(13)「計算間違いが多いよ~、みんな」


机間指導をしている先生が言われた一言。
この一言で、自分も計算を気を付けようと思った。

机間指導で気づいた点は、
どんどん言ってもいいかも。生徒は、「人のふり見て、
わが身を直せ」方式となる。


(14)見通し

この授業で何をどこまでやるかという見通しがあれば、
もっと生徒は授業を受けやすいと思う。
(次するのは何かわかるから)

【例】
① 復習
② 練習問題
③ 発展問題

*これがあると、例えば②の「練習問題」をしているときも、
生徒は「③の発展問題」があるんだな、と心構えができる。


(15)空白タイムをなくそう

練習問題が早く終わった生徒が暇をしだした。
例えば、次のような行動をとっている。

早く終わった生徒は・・・

○後ろを向く。        ○お互いで答え合わせをする。
○声を出す。         ○横を向く。
○伸びをする。        ○前の人の背中をつつく。
○ボーッと過ごす。


【対策】
空白タイムがなくなるように、次にやることの指示や、
空白タイムがないように、タイムマネジメントをする。



(16)予習

時間が余ったからだろうか、最後の3分間は、
「予習するぞ」

これはよいと思った。例えば、

○授業最後の時間を無駄に過ごすことがなくなる。
○分からないところも少しわかるので、
 家庭での予習につながる。




というように、全部で16にまとめてみました。
これらをして、授業中の生徒の心理はけっこう体験でくるのだ、
ということがわかりました。

他学年の英語の先生の授業も見せていただければ、
さらに、参考になるだろうと思います。