本日、広島大学で「高度化プログラム」という企画が行われました。
現職教員が広大生に授業をする特別講座です。

今回の講師は、和田玲先生でした。
東京、順天中・高等学校の先生です。

今日は、その研修会に参加してきました。



実は、このところずっと体調不良で、
この話を聞いた当初は、

仕事もたまってるし、体調もすぐれないし、どうしよう・・

と思っていたのですが、


「会いたい!」と強く思っていた人が、
こんなそばまで来てくれるのだから、
会いに行こう!

これも何かの縁だろう、


ということで、前日になって参加することに決めました。
(その後すぐに和田先生の本も買いに行きました)


5STEPアクティブ・リーディング―単語・聴解・読解・音読・確認 (アルク学参シリーズ)/和田 玲

¥1,680
Amazon.co.jp




結論から言うと、参加してよかった。
すばらしい内容でした。


何がよかったかというと・・・、
3つくらいに絞って述べてみると・・


①「英語力が伸びる授業法」が分かるだけでなく,
 「生徒理解」を重視する「教育者」としての視点が学べる講座だった。

 次のような和田先生の言葉もありました。
 
 「授業のことだけを考えていてもだめ」

 「勉強以外でも、その生徒のどこを伸ばすか」という視点も必要

 「だからいろいろなコミュニケーションのツールを使って、
  生徒を知ろうとする」
 
 私は、Trainerとしての視点だけでなく、
 教育者としての視点を強く抱いている先生を
 尊敬してしまいました。
 (そして、そこから自分に取り入れれる部分を探しました)


② 失敗経験がある。

  現在は、教員8年目らしいですが、
  当初は指導がうまくいかなかったそうです。

  授業だけでなく、学級でも。

  そうして内省します。

 「きちんと生徒と向き合えば,
  ドロップアウトする生徒も出ず,もっと豊かなクラスになったはず」
  
  そう考えて、次の行動をされました。


③ 1年間で200件(幼小中高)もの研修会(訪問)に参加。
  授業・HR・職員会議の仕方を学ぶ。


  「変わりたい」だけでなく、本気になって変わろうとした。
  この実行力、すごいです。





他にも、たくさん心に残るフレーズや、実践したいアイデアに
あふれた講座でした。

細かいものは自分用のAction Planにまとめましたが、
その中から普遍性のあるものをいくつか下記にご紹介します。
(これらは、先生の言葉や、広島大学の先生の言葉、
 自分が考えたことをまとめたもので、
 和田先生がピンポイントでおっしゃった言葉とは異なります)



①各活動は,
「知りたい」「聞きたい」「読みたい」気にさせてから行う。
すべておぜん立てするのでなく、生徒に「自主的な読み(聞き)」をさせる。
 (その具体が講座の中ではたくさん示されました。)

②「論理構成」を教える。
(例)「1Pは3 blocksから成る」「ディスコースマーカー」「主張と具体例」


③生徒同士の力の差を埋める配慮
 □2回目は前後ペアで勝ち同士,負け同士で行う。

 □じゃんけんで勝てば、好きなところに置く


④生徒にもっと自分の話をしよう。
 生徒は教師の話をけっこう好き。
 自分の言葉に影響を受ける生徒もいるかも。


⑤表現活動は,本文の機能を考えて考える。

 本文は、「どんな場面で,誰が,誰に向かって」語ったものなのか。
 その機能を生かした表現活動を考える。


⑥いい実践を見て感動して終わるな。
 芝居ではない。
 「なぜ」「自分がするなら」を一般化し抽出して活用する。
 (広大の先生の言葉)


⑦人は誰でも本気になったら何だってできる。
 ただし,「正しいやり方でやれば」。


⑧英語授業で育てたい生徒像は?
 そのための授業内での手立ては?

 英語力をつけて終わりではない。
 自分が求める人間像を持つ。


⑨学校英語は理解・Inputメイン(単語・文法・読み)。
 実用英語は「音・スピード」が必要。


⑩Input(内容理解は導入)で終わらない。
 Intake(頭に残す・定着させる)・Output(本文に関連した表現)までいこう。


⑪この1時間で「何をできるようにするか(わからせるか)」絞ってもっておく。


⑫光が見えないと生徒は前には進めない。
 「~をすると・・・までいける」のように明確に示してやる。

⑬生徒がしっかりモデルを聞くには,
 自分が「言わないと」「書かないと」と、生徒に主体意識を持たせること。


⑭授業のGoalが明確(Story Retelling)だと、
 生徒はトレーニングをがんばれる。(活きることを知っている)


⑮復習ノートの5要素
 (①書き取り:音確認 ②和訳:不確かな点確認 ③音読 ④英作 ⑤感想)


⑯生徒の感想に対しては,
「相手が書いた分量と同じくらいコメントを書く」(生徒を知れる・つながれる)


⑰「くやしい」(競争意識)と思う生徒は,伸びる。


⑱表現活動は,「何のために?」が大切
(成績に入るからより)

 Intakeした表現を、自分の言葉でPersonalizeさせる機会にしたい。


⑲「生徒をいかに見るか」が第一。
  アプローチや理論は,その次。(英語力を上げるだけでなく,心に寄り添う)


⑳「コミュニケーション能力」とは,友達をつくっていく力。


㉑「人間的魅力」の表の部分は,笑顔・明るさ・テンポ等。

 裏の部分は、「生徒に学ぼうとする気持ち」(広大の先生の言葉)


㉒「人は,自分のために一生懸命になってくれる人を必要としている」
 (先生、自信がなくなったときは励ましてください。)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここまで示したことは、本日の学びのほんの一例ですが、
(まとめは、できるだけ、A4、1枚に絞ることにしているので)

私は、

「生徒理解の視点で授業づくりをする教員になる」と
 強く心に決意しました。

 もちろん、それが学校の先生の姿だと思いますが、
 自分自身、なかなかできていない部分がありました。

 自分が課題と思っていたことを、
 改めて認識させてもらえた講座でした。


 和田先生、ありがとうございました。
 これからもよろしくお願いします。

 これからも何度も会えそうな気がしています。