文法のテストをしました。

文法のテストということで、
「和訳問題」をその中で5問出したのですが、

非常にインパクトのある和訳が出てきたので、
ここに書いておこうと思います。

おそらくこれらの訳は、英語が得意な方には、
特に、英語を仕事としている英語の先生には、
想像できない訳かもしれません。

この誤答を見ていただくと、
英語が得意な人には見えないものが、
苦手な生徒には見える、

ということを感じていただけると思います。

英文中の単語が「変わって」見えるのです。


なお、今回のテーマは、
「おもしろい」というタイトルで紹介していますが、

当然、生徒をからかうものでも、
批判するものでもありません。

このような誤答が集まることは、
英語教師にとって、
すごく勉強になることだと思っています。

生徒がどこで間違えるのか、
その視点を学べるからです。

これは、指導上有益なことだと思います。


では、さっそくその具体を見ていきましょう。


テストの文法は、「否定」と「接続詞」でした
(高校1年生)

この中から、3問、
正答例とインパクトのあった誤答を紹介します。



① Since it is not cold today, play outside.

【正答例】

「今日は寒くないので、外で遊びなさい」

 接続詞sinceの問題です。


 これに対して、
 どんな誤答が出てきたでしょうか。
 

【誤 答】

 「今日風邪を引いたのは、外で遊んだから」

 「今日から風邪でなくなったので、外で遊んだ」

 「科学は楽しくないが、実験は楽しい」
 
  
 です。
 すごいですよね。特に3つめ。

 でも、よく英文を見ると、なぜこう考えたのか、
 わかります。
 
 上の2つの誤答は、coldを「風邪」ととらえたところから、
 ストーリー作りが始まっています。

 下の誤答は、「since」が「science」に見えたのでしょうね。
 そして、playを「実験」としたところは、
 素晴らしい発想だと思います。
 
 これがテストでなければ、
 その発想力をすごくほめてよい場面かもしれません。
 

 
続いて、第2問。

② Not all of the members attended the meeting.

【正答例】
 
 「すべてのメンバー(会員)が、その会議に参加したわけではない」

 not allの部分否定の問題です。


【誤 答】

 「メンバーが全員いなかったので、ミーティングで集めた」

 「メンバーが全員そろっていないから、ミーティングはなし」


 生徒は、Notとallのつながりに気づけず、
 自分の実生活と結びつけて考えたのでしょうね。
 


第3問です。

③ What I need is not fame, nor money.

【正答例】

 「私に必要なのは、名声でも、お金でもない」

 ポイントは2つ。
 not A nor Bと、whatの訳仕方(これは既修)。
 

【誤 答】

 「私は農場をするお金がない」

 「私に必要なのは、fameでも金でもないなら何なんだ」


 fameが別の単語に見えたのでしょう。
 下の誤答は、whatを「何」ととらえたのでしょうか。



(まとめ)

上の①~③の誤答を見てわかることをまとめてみます。


生徒は、

○単語力がない場合、形の似た別の単語と間違うことがある。
 (違いを認識できない)

 →時々、形が似た単語を一緒に提示して、
  違いを明示的に示せば、効果があるかもしれません。



○単語力がない場合、分かる単語の意味をつなげて
 ストーリーを作ることがある。

 →あきらめずに作っているという意味では、
  生徒はがんばっている証拠かもしれません。



何はともあれ、この結果は、自分の指導の結果です。
一番にそこを振り返らなければいけません。

今回、このようにまとめてみて、

生徒の誤答を分析し、指導に生かしていく視点は必要だと、
改めて気づくことができました。

普段自分には気づかない見方をしている、ということも
よくわかった体験でした。


採点からは、多くのことが学べますね。
誰が、どんな解答を書いているのでしょうか。
興味を持って見てみたいと思います。













    
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