進化止まらず ル・スプートニク 六本木 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

即興詩人――、などといったら褒めすぎだろうか。

サービスの人たちですら、どんな料理になるのか、出来てみないと分からない時があるという。

日々、厨房で考えて、その時々の答えを出す。

誰でもできるようで、ほとんどの人ができない芸当だろう。

だから、いつ行っても、驚きと発見がある。

革新と正攻法の兼ね合いの妙技。

この日も進化は止まっていなかった。

 

熟成アマダイのアミューズ。菊芋の糠漬けをしのばせてある。

ウドとオシェトラキャビアの料理。ほろ苦さが春らしい。

パリパリ桜えびとそのビスク。当たり前だがオマールなどより、ほんのり優しい味。

フォアグラのムース、低温で煮た根セロリのピュレ、蜂蜜ジュレに青リンゴ。

新玉ねぎとイカのソテー。玉ねぎはピュレ、ブレゼ、チュイルと食感色々に。

牛サーロインの薄切りとビーツの前菜。見た目に華やかで、サシとビーツの甘みも相乗。

白子のポアレにハーブソース、長芋。ねっとりした白子に、青い風味が爽やかさを加える。

フォアグラのポアレとアンティーチョークのソテーとブルーテ。クラシックへの序章。

ヒドリ鴨(マガモの仲間)の胸肉とシイタケ。鴨のブイヨンと肝。独特のクセがあるヒドリ鴨は、悪くない。ブイヨンが深い味。

スジアラのロースト、キャベツソース。むっちりとした白身に、これまた春らしい、キャベツの甘みが活きたソース。

ホロホロ鳥のサヴァイヨンソース。トロンペット茸とシャントレル入り。クラシック、きた!

和歌山の仔猪、春菊、リンゴ、パクチーオイル。繊維が繊細な身質で、脂に濁りがなく、実にうまい。猪で美味いと思ったのは久しぶりのこと。

 

サービスの人は代われど、質は変わらず。

さらなる進化を期待させてくれる店である。