四季折々の良さがある中でも、和食の食材の充実度が高いのは、やはり晩秋から真冬ではないだろうか。
12月末の「晴山」でも、ふぐ、蟹、寒ブリ、野鴨・・・とキラ星のごとき食材がコースにちりばめられていた。
初手は三重県安乗の天然トラフグ。身皮や 遠江 がテッサの下にある。
絶品の肝ポン酢と共に食す。
蟹真丈のお椀。自然な甘みがじんわり広がる。
佐渡の寒ブリ。砂ずりの大トロ部分を炭火で炙ったのが、香気と脂がみなぎっていて見事な味わい。
真鱈白子の飯蒸し。最近、飯蒸しに凝っているように思う。
岐阜の野鴨。これは素晴らしい。この店で食べた野鴨で、一番かも。レアーに仕上げた胸肉が、しっとりと滑らか。血の風味がたまらない。
その他の部位で作るつくねも、相変わらずの出来栄え。
もはや名物、カニコロッケ。玉ねぎソースをつけて食べると、ブルゴーニュの白ワインに良く合う。
2017年に仕込んだカラスミと海老芋。酒飲みにはたまらない炊き合わせだ。
香箱蟹のご飯。うまいに決まっている。
スキも緩みもない、大満足のコースであった。