予約至難も納得 盡 銀座 | 御食事手帖

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ウェイティング・リストに100人が登録――。

そんな話にもうなずける、銀座の秘かな超人気店。

「盡の予約があるんだけど」というだけで、食い意地の張った女性を釣り上げられそうな、そんな状況である。

 

ただ、予約至難店にありがちな感じの悪さ、鼻高々さ、勘違いぶりは、この店には感じない。必然というか、狙い通りというか、なるべくして予約至難になったというだけ、なのかな。たった6席、一回転の店だから当たり前か。

 

食事は決められたスタート時間に、全員同時スタート。

その日の食材となる各種の魚のスープの後に、宍道湖のワカサギ、米粉のフリット。柑橘を使った甘やかなソースに、おくらをかけてある。

対馬の方ののど黒の炭火焼。皮目にリンゴ酢を塗ってある。しっとりと香り良く、見事な焼き加減。

下に新イカ、上は生すじこ。シャルドネを煮詰めたもので、すじこをねっとりと仕上げる。イカは白ワインビネガーとわさびで和えてある。

店の代名詞の1つ、自家製バターみっちりの自家製パン。

アマダイ・白皮をホタテ貝柱の上に載せ、シャンパーニュで3時間蒸したもの。素晴らしい出汁。白皮は、長時間の火入れでもなめらかな身質。ホタテは「出汁が出きったので食べないでください」とのこと。

和歌山のアズキハタにグラナダ・パターノをふったものとハマグリをイカスミ汁で炊いたもの。滋味が溢れ返る。

車エビと毛ガニのフランに、アメリケーヌソースをかけたもの。にんにく、香辛料を入れないため、優しいけど濃厚な味わい。

トマトの冷製カッペリーニ。口直し的なパスタ。

牛肉と舞茸、茄子のフォンドボー煮びたし。

淡路のアナゴのご飯。飯は、魚介の出汁で炊き上げている。ずば抜けたアナゴ。

新たに入社した若者が作る和菓子。甘みのメリハリが効いていて、季節感もたっぷり。

 

この料理に、バイ・ザ・グラスでブルゴーニュを楽しむと、さすがのお支払となる。1日6人きりだから、致し方ないか。