東京フレンチ界では中堅どころ、という位置づけだろうか。
しかし、これという特徴が明確ではない店のように思う。
古典でもなければ、飛びぬけて斬新ということもない。
しいて言えば、今の流行のスタイル、か。
『専門料理』3月号の豚と内臓特集に出ていたが、雑誌に出ているような特徴的な料理は、店では出してくれない。コース1本槍ゆえの、最大公約数的な内容になっていた。
アミューズ。このあたりが、なんとも今ハヤリ風。石のようなパンにリエット。
低温調理したサバに才巻海老のサラダ。ソースにはバジルシードのジュレ。
白子のフリット。 菜の花ソースと トリュフビネガーのソース。上にはうどのスライスがたっぷり。日本食材を色々使っているが、香りの強い食材同士のため、口の中で落ち着かない。
蝦夷アワビの肝ソース。これはややクラシック寄り。
フォアグラのポアレ。牡蠣のリゾットと、ねぎのフリット。内臓と海の幸という意欲的な取組み。
焼津産ののどぐろにタケノコ、ホタルイカ。一皿で多くの食材を合わせるのが特徴か。
デザートも万人好み。
今でも結構な値段なのに、春からさらに値上げするようなことを発信している。
店の造りもフランスの田舎のレストラン風なのだから、そんなに高級志向に走る必要はないような気もするが・・・。