どんなものかと試しに行ってみたが、噂通りの珍品ぞろい。
熊やカラスくらいなら、まあともかく、アナグマやヌートリアに至っては、ジビエというより外来の害獣・・・ではなかろうか。賞味する対象とは、なかなか思えない。
これがお店のスタイルなんだから、それはそれで結構であるが、しかし好みは明確に分かれるだろう。
初手のジビエ前菜盛り合わせ。
月ノ輪熊のハム、 岩手・遠野のカラスのカツレツ、猪のテリーヌ、 穴熊のガランティーヌ、 エゾシカの生ハムと本州鹿のムース、 山うずら、 カルガモのスモークとレバームース。
動物園か、と突っ込みたくなる。
からすもアナグマも肉は硬い。これはまた食べたい!というようなものではなく、「ふーん、これが●●かあ」という感想しか出てこない。
伊勢海老とのどぐろのカッサート。ふぐの白子とアワビ入り。滋味あふれるスープで、これはこの日一番のおいしさ。
香川県・小豆島で捕獲されたヌートリアのラザニア。 ラディッキオと トリュフ添え。
猪の肉でつないであるので、何が何の味だかよく分からないが、言われなければ味の濃いラザニアですむような味わい。ヌートリアと言われると、複雑な心境になる。
新潟の網取り真鴨。これは、こちらも経験値が高いので良し悪しは分かる。
これは肉質がかなり硬い上に、斬り方も厚いので、食べるのがしんどい。同じく新潟の網取りを出す「アラジン」などでは全く感じない硬さは、何が原因なのか。モモ肉も香りに乏しく、状態がイマイチのように思う。
ホッとするデザート。チョコのムースがおいしい。
おススメ2本の赤ワインのうち、高い方を選んだが、かなりひどかった。
まあこれも勉強、と自分を納得させる一夜であった。