ミシュラン関西版では、3つ星の店らしい。
しかし、そこまで高評価をする理由が何なのか、私には分からなかった。
いかにも京都らしい割烹、という程度であり、和食の最高峰などと呼ぶほどではないように思う。
この店、コースの料金幅が結構広い。
しかし、見栄をはって高い額のコースを頼む必要はなさそう。
ばちこや牛肉などで料金調整しているようではあるが、結局のところベースの料理は1万円でも3万円超でも変わらないように見受けられた。
おそらくは、安いので十分だ。
最初は、ヒラメえんがわのかき揚げと紅マドンナ。
揚げ物になぜか大変ジューシーで甘いミカンを合わせているのだが、正直言って「?」である。なぜ果物と無理に組み合わせるのか、妙を感じなかった。
数の子と青み大根、ふきのとう味噌。不味くはないが、これは逆に工夫がない。
からすみ麩まんじゅう。シンプルにうまい。
ばちことユリ根の卵締め。底の方に溜まったばちこで単価調整・・・であろうか。
ただ、胸を打つような料理ではない。
とろろをかけた牛肉、はなっこりー。良い和牛なんだろうけど、京都の割烹で牛肉を食いたいとは思わない。
おきあぶらめ(アブラボウズ)とマッシュルームの天ぷら。しっとりした身質の上品な魚だが、上のタレが邪魔なような。
ここでお椀。花びら餅を模した、海老入り餅と海老真薯のタネ。さすがに吸い地はうまい。淡くて、昆布主導の旨みがやんわり伝わってくる。
造りは淡路のひらめ。身が緩い。
お節風。さんど豆と赤こんにゃくの白和えがうまい。
鯛の中骨。ザ・シンプル。
棒鱈の炊き合わせ。おばんさい感が非常に高い。器のきらびやかさとは対極的な料理。
赤ナマコ、かぶら、金柑の酢の物。ちょっと甘すぎる。
一番高いコースを頼んだが、ご飯は1万円と共通。柴漬け、ずいきの漬物をのせたおこわ。
質素である。
水菓子はなく、ジュースで終了。実にそっけない終わり方。
関西の三ツ星って、こんなもんか、というのが率直な感想。
わざわざ出かける必要性は感じなかった。