地方のフレンチの典型 マリー・ルイーズ 平塚 | 御食事手帖

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作家・城山三郎が通った店として知られる神奈川・平塚のフレンチ「マリー・ルイーズ」
たまたま用事があったついでに出かけてみた。

微笑ましい店である。
あか抜けない内装と、素人っぽいサービス。前世紀から時が止まったかのような料理。
そのどれもが、横浜から西へずっと離れた平塚という地と、妙にマッチしている。
無理がなく、身の丈にあっているので、かえって居心地がよくなる。
不思議な店であった。
ただ、茅ヶ崎に住んだ作家がこの店に通った理由は何なのかは、イマイチ全く分からないが・・・。


奮発しての、1万円のお任せコース。前菜はこんな感じ。
いろいろ全部盛ってみました、というのがまた微笑ましい。
シャルキュトリーに、アナゴのフリット、コンソメジュレのウニのせなどなど、これだけで結構飲める。


分厚いフォアグラに夏トリュフ。
クラシックとかどうとかの問題ではなく、この店ではずっとこうやって地元の人たちにフォアグラのおいしさを伝えてきたのだろう。それはそれで、大事なことである。


半割りにしたアワビのソテー。フォアグラに続いて高額食材をどんと出し、けちけちしていない。晴れの日の食事感が満載である。


メインは、牛肉とうずらの二点盛り。めったに来られないフレンチなのだから、いろいろな味を経験させてあげたい、という人情がこもっているように感じられる。

子供連れあり、老夫婦あり、友達同士ありの客層も、こうした地ならではであった。
都心のフレンチとはまた違った趣き、何とも言い難いが、とにかく微笑ましい店であった。