充実の夏 晴山 三田 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

定点観測的に通っている「晴山」。
それもとうとう途絶えてしまうことに。
9月、10月は全く予約が取れない状況。
秋は稼ぎ時だから仕方がないとは思うが、それにしても予約至難になったものだ。


前菜で初めての肉。翡翠なすを岐阜の生ハムでくるんだもの。オクラとろろがかけてある。
味は悪くないし、ビールにも合うが、なんとなくこの店で期待しているものではない。


王道のお椀。淡路の鱧とじゅんさい。鱧は歯あたり良く、優しい脂も程よく、じゅんさいの儚い青さとマッチする。


造りは、剣先イカとまこカレイ。これに熟成させた甘鯛もついた。
剣先は結構な大きさで、噛むと非常にねっとりしてくる。カレイは無難。
熟成甘鯛も、ねちっと口中にまとわりつき、新鮮なものと違って、独特の風味を放つ。


夏の定番、あわびウニうどん。
もっちりと煮あげたアワビに、肝で合えたうどん。これにウニが絡み合うのだから、不味いはずがない。ファンの多くが、「夏はこの一皿」と思っているはずだ。


これまた夏の定番、郡上鮎。ごぼう餅ととうもろこしの天ぷら。
小顔の頭から尻尾まで、カリッと焼きあげるスタイル。
天然ならではの引き締まった身質が良い。


冬瓜とアナゴの煮物。
これも定番。寿司屋に負けず、脂の乗ったアナゴを引っ張ってきている。
出汁をよく含んだ冬瓜が落ち着く味。


締めは鱧ごはん。鱧子に新生姜、大葉、みょうが、のり、木の芽を混ぜ合わせてある。
日本のハーブのオールスター、といったところか。
しっかり焼き上げた鱧が、多彩な香りを受け止めている。


デラウエアがのったババロア・ゼリー。


月末のお楽しみだった晴山が、だんだん遠のいていく。
どこか代替となる良い店はないだろうか。