エルニーニョだか何だかのせいだろうか、気温も海水温も下がらないおかげで、今シーズンの富山は寒ブリが取れなくて困っているそうだ。
しかし、冬に一度は本場で美味いブリが食いたい、という衝動は抑えきれず、年末にのこのこ出かけて行った。
この「鮨人」は、2度目だ。
砂糖を入れない赤酢の飯と、流行りのつまみと握り混合型のコースが特徴。
店主はどこか、吉田沙保里に似てなくもない。
ネット上では、「富山で最高」という評価が多い。
富山の寿司屋、全部行ったのか?と突っ込みたくなるが、少なくとも富山湾の魚介は堪能できる。
東京の寿司屋と張り合えるレベルだが、料金は半額程度かそれ以下だ。
量もたっぷりで、食後感は大変結構である。

まずは越中白バイ貝。前の時も初手はこれだった。
こりこりと噛むと、甘みと独特の香りが立つ。

これも前回と同じ展開、のどぐろのネギマとズワイガニの握り。
ふんわり焼き上げたのどぐろ、あと3本くらい食べたくなる。

香箱蟹。

3点盛は、ブリにクルマダイの昆布締め、カワハギ肝和え。
ブリは13キロと寂しいサイズ。がんどに近い味わい。その分、濃厚なうまさのカワハギがカバー。浅く締めたクルマダイも澄み切った旨味でいい。

ブリの生ハムとサワラの燻製。
ちょっと熟成感のあるブリは努力賞。サワラは塩をして燻製したそうだが、ぱさぱさせず、ふんわりした食感で驚く。これはいいツマミだ。

これも定番、白エビ昆布締めと甘エビの握り。後者は、かすかに歯に当たりつつ溶けていく感じがたまらない。

ウニ、白子、イクラの小どんぶり仕立て。
不味いわけがない。銀座「野じま」の中落ち・ウニ・いくら小どんぶりを想起させる。

焼き物は、ジューシーなメダイ。皮までうまい。

ヒラメ。噛むほどに、良い脂が広がる。

のどぐろ。

あじ。鮮度抜群。

やりいか。

ブリ腹。

マグロは大間。色々出してくれた。
他にも出してくれたが、この店でぴか一なのは、お椀。
多種の魚の大量のエビガラで取った出汁は、超濃厚な日本海ブイヤベース。
これをすするだけでも、来たかいがあるというものだ。
富山へ行く機会があれば、早めの予約で行ってみてほしい。