新ばし 久 新橋 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

和食とフライを混ぜて出すカウンターの料理屋。惣菜屋以上、割烹未満といったレベル。店主の兄貴がやっている寿司屋の「アニキ」かもしれないが、魚介類はギリギリ腹の立たない水準か。ただし新橋の小料理屋にしては、安くはない。
★★★☆☆



鶴八派なので行ったことはないが、寿司屋「しみず」の弟店として有名な「久」。
どういう修行歴かは知らないが、お椀や造りを出すかと思えば、フライ物がウリだともいう。
グルメ業界人が好きな「うまいもん屋」というカテゴリーだろうか。

正直言って、和食屋としても揚げ物屋としても、どこか中途半端な印象が否めない。
京都あたりには良くある業態だが、「お決まり」の料理内容はありきたり、アラカルトも品数が少なく、心沸き立たない。
ただ、フライ物の方は片手間でやっている割烹店よりも洗練された感じはする。



お決まりで出てきた造り。
ヒラメは歯ごたえまずまず。メジマグロ、ごく普通。赤貝、ちょっと元気なし。


同じくお決まりの焼き物、ブリの照焼き。
脂の少ない部位を焼きすぎているので、パサパサな食感。


追加で、名物の「からさめ」。粉状のからすみを春雨にかけただけのものだが、妙にうまい。
春雨がややボソボソしていたか。


フライ物で、白子。
丁寧に衣をつけていて、バランスが良い。レモンと塩で食べると、まずまず。


アジフライ。とても小さい。ジンタと呼ばれるサイズではないか。
軽くて、口どけが早い。好みとは違うが、これはこれで技術か。


しいたけのフライ。肉厚で大きいのを上手に揚げているが、調理法としては天ぷらの方が合っているような気もする。


穴子のフライ。これは文句なしにおいしい。
仕入れで引きが強いのだろう。
くどくなく、もたれない。

魚介系のフライで一杯、という気分になったら(そんな気分には滅多にならないが)、一考してもよいかな、という食後感であった。