無理ですよね。
宗教的な意味よりも、消費と物欲と愛欲がほとばしるだけの日本のクリスマス。
フレンチ業界も稼ぎ時です。
より多くの客を、より早くさばき、原価率を下げて、1円でも儲ける。
多くの店の、至上命題ですからね。
でも、世の中には奇特な店もあるもんです。
私が愛してやまず、食べログや世のグルメ本業界は全く評価しないフランコ・イタロのカウンター料理屋、四谷三丁目の「ドゥエ・リーニュ」。
クリスマスだろうが何だろうが、お構いなし。
25日の遅くにうかがいましたが、いつも通り、客のお好みに応じて、目の前で丁寧な調理をしてくれました。
立派な黒トリュフやジビエを用意して、一応特別な日向けにはしていました。
トリュフのタリヤンとか、ベキャスの炭火焼などは相変わらず素晴らしい出来栄え。
活きオマールはア・ラ・ヴァプールでミキュイに火を通した後、アメリケーヌソースにからめ、さらにトッピナンブールのソースで食べさせるという一皿。付け合せのほうれん草とともに、海と土の恵みと風味が相合わさる、良く考えられた料理でした。
しかし。
この日、私が感動したのは、これでした。

しいたけの塩焼き。
伊豆産の肉厚どでかしいたけなのですが、これが大味ではなく、ぎちっと身が詰まっていて、見事な歯ごたえと香り。
焼いてもほとんど縮まらないのがすごいです。
炭火でゆっくり焼き上げたのに、とても汁気が多い。
ものがいいのです。
こういうのを、さっと即興で出してくれるのが、心憎いです。
店を始めて何年になるのでしょうか。
相変わらず、ブレークする気配はありません。
でも、それで結構。
理解者をコツコツ増やして、足腰の強い店経営をしてほしいものです。
私は、いつまでもこの店のファンを続けていきます。
さて、このブログですが、年末年始も気まぐれに更新をする予定です。
固定読者が増えているようなので、サービスに努めます(笑)