今年初のイルビッライオ | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

街のトラットリアとしては欠点のない「イルビッライオ」。
今年初めての訪問も、相変わらず満足度が高く、なにより安い。
デートあり、ママ友会あり、思い思いの楽しい時間が過ごせるところが、何よりの魅力です。


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私にとっては、持ち込みワインが楽しめるのもうれしいところ。
今回は、アロウホのアルタグラシア2003年。
香りはやや閉じたところがありましたが、味は非常に力強く、10年経ってなお若い。
ボルドー右岸系の甘やかさ、クレーム・ド・カシスや煮詰めたベリーっぽい、凝縮感のある味わいが明確です。

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この日のおすすめ冷前菜は、タスマニア・サーモンのスモーク。
脂ののりがしっかりしていて、トロのよう。トマトや赤玉ねぎ、フェンネルなどの香草がたっぷり乗り、酸味を利かせたソースが良く合います。
ここの料理は、どれも野菜が豊富で、合わせ方が上手です。

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温前菜は、うずらのソテー。
しっとり焼き上げたうずらに、バルサミコやパルミジャーノを利かせて食べます。
うずらの前菜としては、牛込神楽坂「カルネヤ」の塩麹焼きの方が上かもしれませんが、ここのも十分食わせます。

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パスタは、合鴨のラグー。バターのソースでしょうか、程よい濃度で、赤ワインがすすみます。
コンビーフ状になったラグーは、鴨肉の香りがしっかり籠っています。

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メインその1は、この日おススメのバスク豚のロースト。
お店では黙っておりましたが、私はフランス側もスペイン側も、バスクは何度も通いました。
キントア豚も一時期マニアとなり、バイヨンヌの山をあっちこっち走ったものです。
その経験から言わせてもらうと、この日の豚は、バスクと言っても白い豚でしょうか。
キントアとは、脂身が違う感じがしました。
本物は、もっとナッティーで濃い。赤身と脂身の比率も、もっと脂身に偏ります。
噛んだ瞬間にそれと分かる野趣が漂うのが、純度の高いキントアの特徴です。

肉種はさておき、ここのは豪快に骨付きロースを出してくれました。量は申し分なく、一般受けを考えれば、これくらいのマイルドな豚の方がかえって良いと思います。

写真では見えませんが、この料理にもたっぷりのグリル野菜が添えられています。
これが、どれも甘くて美味い。紅芯大根も菜の花(ターニップトップ?)も、味と香りが鮮明です。

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メインその2は、前回も食べた和牛頬肉の赤ワイン煮。
2度食って美味いものは、本当に美味いのでしょう。濃いカリフォルニアワインが、良く合います。

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デザート、のかわりに、もう一皿パスタを。
マッシュルームのラグー、トリュフ風味。
このパスタ、ピチが非常に良い出来。太麺でモチモチ。何度も噛んでいると、小麦の甘さを感じます。香り高いラグーに負けていません。
日本にいながらにして、このレベルの手打ちパスタを安く食べられるのは、実に幸せなことです。

さんざん食って、1人5000円ほどでしょうか。
流行らないわけがありません。
週末は早めの予約が必要になってきたのが、気がかりです。