「交詢ビル」ランチ | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

月末の外食がままならない日々から、ほぼ解放。
14時という間抜けな時間から昼食となると、銀座界隈では交詢ビルが重宝します。

高額店がひしめくビルですが、どこも集客に苦労しているご様子。
ランチは遅い時間からの入店OKにして営業努力する店が多いです。

この日は、特に考えもなく寿司屋の「逸喜優」(いっきゅう)へ。
予備知識全然なしで飛び込みましたが、結論から言うと意外にまあまあでした。

先客の2組はすぐに退店して、客はわたくし1人だけの状態に。
ちょっと頼りなさ気な2番手が対応してくれました。

15000円ほどの昼のおまかせを注文。

前半、つまみがいろいろ出てきます。
せいこ蟹、白いかのみょうが和え、小柱のみぞれ和えと続き、昼から結構飲めます。
生ビールの後は、数種あるグラスワインからスプマンテを選択。この泡モノも意外に悪くありません。
これに合わせて、北海しまえびのトリュフ塩・オリーブオイル和えなるものも出てきて、一瞬何の店にいるのか分からなくなるような展開。

さらにつまみが続きます。
締め鯖は、一切れは炙って出してくる芸の細かさ。からしを添えているのもおもしろい。
のどぐろと雲子の煮つけは、濃いめの味付けながら酒とやるにはちょうど良し。
北海道で採れた30kgのブリは、砂ずりを照り焼きにしてくれました。大トロのところですから、まずいはすがありません。

さらに、この店ではウリにしているというフライ物が登場。
愛知産の天然車エビのフライは、タルタルソースまで良く出来ていました。

このあたりで、ようやく握りに。

初手の中トロは、旨みやコクの点でイマイチ。
ヒラメの昆布締めは、北陸の人が喜びそうな、強い締め方。
淡い味わいのシャリには、ちょっと強烈過ぎるかと思います。
コハダも締めすぎで好みではありません。
軍艦ではないウニは、みょうばん臭くなく、風味良好。
トロリと煮あげた穴子も、なかなかです。

かいわれの巻き物と卵焼きが出て、昼のコースは終了。
不思議なことに、お椀はなし。
水菓子もなしでしたが、これはむしろ好感が持てます。

この店、なんとワインの持ち込みOKで、抜栓料は1本2000円!
ワイン会も承るのだとか。

遅い昼に、1人カウンターでシャンパーニュ、などという使い方はいいかも。

ただし純粋に寿司だけをとれば、いろいろ問題はあるかと思いますので、シリアスな寿司愛好家にはすすめません。
カテゴリーは、あくまで「寿司も出てワインも飲める店」です。