




大小ざっと50か所くらいの温泉地を有する石川県。
能登の和倉などと並ぶ有名どころの一つが加賀の山代温泉でしょう。
結構な規模の温泉街です。
昭和の頃は隆盛を誇っていたのでしょう。
しかし、この種の温泉街のご多分に漏れず、山代も今はすっかりさびれています。
石川県随一の規模を誇り、かつては客単価4~5万円もしたという「百万石」も今年9月に休業。
他にも閉鎖した温泉宿の廃墟がそこここに点在しています。
関西からのアクセスが良く、小松空港からも車で30分の地の利を活かせないのは、かつての繁盛に胡坐をかいた経営の怠慢のせいでしょうか。
そんな山代にあって、全国的に名の知れた宿が2軒あります。
「あらや滔々庵」と「べにや無何有」。
前者は「一休」などで推される人気宿。
後者は、修善寺の「あさば」などと並ぶ「ルレ・エ・シャトー」のメンバーです。
週末の直前、用事のついでに山代へ行くことを急遽思い立った時、フランス滞在時代から慣れ親しんだ「ルレ・エ・シャトー」を盲信して予約をいれてしまいました。
その時点では、「無何有」の読み方も分からなかったくらい、予備知識はゼロ。
結構な値段を取るので、はたしてそれに見合うのか。
期待に不安が混じる訪問となりました。

山代温泉の高台にある宿は、全17室。広々としたエントランスは、モダンでさっぱりとした内装。

2間+月見テラスのついた和室。

竹の感触が心地よいテラス。

見下ろす庭には、茶室が。

部屋の露天風呂。小さいながらジャグジー機能付き。

アメニティーはオリジナル。かなり凝ってます。
普通は「ルレ・エ・シャトー」印のものがずらりと並ぶのですが、ここは我が道を行っているようで、かえって好感が持てます。



大浴場など部屋以外の施設。
豪華というよりは、質の良い簡素さを感じます。
宿の主人はお茶を、女将はヨガをやっている影響でしょうか。
宿の第一印象は悪くありません。
夜の食事は、次回。