海狼 葉山 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

「石原裕次郎が愛した店」がウリ文句の中華料理屋です。ランチか夏の夕刻、海の見える窓側に座れれるかどうかがポイント。でないと、単に割高な食事になるだけです。名物のフカヒレを筆頭に、料理は横浜中華街レベル。裕次郎がどこをどう愛したのか、イマイチ不明なお店です。
★★★☆☆


「他伝、信ずべからず。自伝、信ずべからず」。
人物評伝や歴史物を得意とした作家・小島直記さんの言葉です。

史実と称して書かれたものを鵜呑みにしてはいけませんよ。
まして、自伝なんかを信じてどうする、という意味です。
歴史とは、語る人間がそれぞれの立場で、勝手に都合よく捻じ曲げて伝えるものだということです。

さて、この店も長い歴史を有しますが、はたしてどれが真実なのか。
お店のホームページでは、勝海舟や山本権兵衛に愛された、とあります。
ほぉ~。
自伝ですね。検証するすべがあればいいのですが・・・。


一方、食べログなど多くの口コミには、「石原裕次郎が愛した店」となっています。
こちらはさしずめ、他伝でしょうか。

これらの自伝・他伝は、例えて言えば、ラーメン屋や焼き肉屋などが壁に貼り付けている有名人の色紙の類でしょう。真相は分かりませんが、一度しか来ていないかもしれない客の権威に頼るというのもどんなものでしょうか。

そんな、海狼の料理。
ランチで軽く食べただけですので、論評も軽めに。

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ごく普通の蒸し鶏。
皮はまずまずおいしいですが、全体としては本当にどこででも食べられる平均的な味。

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海老蒸し餃子。
このハーガウは、はたして店で一から作っているんでしょうか?
目を閉じると、マンションの一室で不法就労者が1日20時間労働で餃子を包んでいる風景が浮かんでくるのは、全く気のせいでしょうか。

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シュウマイ。これは無難においしい。
これでビールを飲んでいる限り、腹は立ちません。

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ランチ特別メニューのあわび丼。
佐島あたりのあわびらしいです。
小さくて、柔らかいのでエゾアワビかと思いました。
とろりとした煮汁は良い味。
ただ、2800円くらいしました。

繰り返しますが、ここはランチで海を見ながら酒を飲むのに適した店です。
しかし、考えてみればこれも他伝ですから、信じない方が良いかもしれません。