アラジン 広尾 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

お任せコース1本だったのを改善。アラカルトまで復活し、シェフはまだまだやる気満々のようです。料理は高いレベルで安定、ワインリストも悪くありません。もっと客が入ってもおかしくないのに、なぜか「穴場」化してしまっています。
★★★★★半


料理内容もさることながら、ホームページも一新。
ついでに、フロアの店員さんも新しくなっていました。
シェフはすでに重鎮の域に達しておられますが、まだまだ「カイゼン」に勤しんでおられるようです。

料理は相変わらず、手堅くおいしいです。
せっかくなのでアラカルトで楽しみたいところでしたが、しかしデザート2品を含む7皿からなる1万円のコースは、やはりお値打ちです。

初手に出てきた「乳飲仔豚の背肉ハム」が、素朴ながらストレートなおいしさ。
ハムがしっかりした肉の味を持っているところに、肉汁ジュレがついているので、いよいよ深みが増します。
ありそうで、なかなか他店では見ない料理です。

次いで、「柔らか煮アワビときぬさや、セップのマリネと肝のクリーム」。
オイルたっぷりの中に、香りが残った煮アワビ、ヨードの味がたっぷりの肝クリームが漂います。セップの食感と風味も悪くありません。
見た目は地味ですが、全体の味はよくまとまっています。

3皿目は、阿寒湖のザリガニをジロールと軽く煮込んだ料理。
活きたままのエクルビスだそうですが、弾力とか旨みの点では、フランスの上物に劣るように思います。甲殻類のソースは、相変わらず上手。

魚料理は、コチのプロヴァンス風。
少しコチが硬くなっていましたが、皮も含めて香りはまずまず。
ラタトゥユ風の野菜のソースは、ちょっとありきたりなような気がします。

メインは、国産和牛ハラミのステーキ。
フレンチではめったに頼まない牛肉ですが、無難においしかったです。
ただ、せっかくなので無理をいって「アンドゥイエットとブーダン」とかを試せば良かったかな、とちょっと後悔。

ワインは、トロ・ボーのボーヌ・グレーヴ1998年。
きれいに熟成していました。酸がやさしく、果実味がふくよかで、スーボアっぽい香りが魅惑的。元々トロ・ボーのファンですが、改めて良いワインを作っていることが確認できました。

コース1本でなくなったので、ちょいちょいうかがいたいものです。