キャラ立ちまくるサービス/ バカ―ル 渋谷 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

予約至難も納得です。安いわりに美味いし、量もしっかりあります。チャラけた料理かと思いきや、ソースや火通しなどはきちんとしています。フロアのお兄さんの接客は好みが分かれるところでしょうが、食もワインも良く勉強しています。意外に侮れません。
★★★★☆


苦手な渋谷エリアですが、我慢して駅から歩きました。

店構えや内装からは、開店資金が苦しかったことがしのばれます。
超人気店にのしあがった今なら、がっぽり儲けられそうですが、そうはしないで高コスパ路線を続けているようです。
お見受けするに、若い方たちがやっているお店のようですが、心がけは立派ですね。

ワインカーブのコンプレッサー音と熱に苦しめられる奥の席に着座。
しかし、フロアのお兄さんは、のっけから色々と笑わせてくれるので、嫌な気分にはなりません。
サービスマンは、よくしゃべって、面白くないといけませんね。

さて、料理ですが、豊富なアラカルトに惹かれるものの、お兄さんによる「うちのコースはいいですよ、アラカルトは時間がかかりますよ」とのささやき攻めに屈して、コースにしました。
ただし、一部アラカルトの料理と変更してもらうことに。

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まずは、ご自慢のバーニャガウダ。
蟹身の入った蟹ミソのソースで食べるのがミソです。
とても覚えきれないほど野菜の種類がたくさんなのですが、お兄さんは見事に暗記していました。
見た目にも華やかですから、客の心を掴むにはもってこいの料理でしょう。
でも冷静に味わうと、揚げた茄子とかきゅうりとか人参とか、ごく普通の野菜が普通においしい料理にすぎません。
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これは、バーニャガウダのトッピングで頼んだ稚アユのフリット。

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次いで前菜は、浜名湖産のうなぎを軽く燻製して焼いたものと、フォアグラのポアレ、生のマンゴー、マンゴーと貴腐ワインの2種のソース添え。
前にも書きましたが、私は「うな・フォア」料理には目がないタチで、メニューにあれば必ず食べる性分です。いつか世界ランキングを作りたいと思っているくらいです。
ここのは、まずフォアグラの焼き加減が上手で、うなぎの燻製加減もちょうと良い。
生のマンゴーはやや水っぽく、原価率の限界を感じますから、やめた方がよいでしょう。
フルーツの甘酸を加えたいならリンゴに手をかけて使えば十分です。

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メインは、店のスペシャリテなんでしょうか、麦を詰めたウズラのロースト。
カリッと焼き上げたウズラの皮目が何ともおいしく、ポルトのソースも良くできています。
ビストロ料理としてはハイレベルです。

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締めは、これもお店の特徴である炊き込みご飯。
いわしとフォアグラ入りを頼みましたが、これも日本人客の心を鷲づかみにする演出ですね。
お腹の隙間も埋まりますから、食後感がグッと向上するでしょう。
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桜エビのかき揚げご飯も、なかなかのもの。

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デザートは、いくつかから選択。
お兄さんの口から「パリブレスト」という語が飛び出したので、わたくしは迷わず頼みました。
が、出てきたのは、全くの「創作」パリブレスト・・・。
まず車輪が一つもありません。思わず世界パリブレスト協会に通報しそうになりました。
モンブランといいながら、平たいケーキが出てきたようなものです。
余計なことはしなくていいから、伝統にのっとったパリブレストを作ってほしいものです。
このデザートだけは、大きなバッテンをつけておきましょう。

とはいえ、食事全体としては、我慢して渋谷へ出かけた価値のあるものでした。
予約至難は困りものですが、取れたらまた出掛けてみたいですね。