サラリーマンの聖地、新橋。
昼12時になると、もう大変です。
ビルというビルから老若男女が流れ出てきて、道々を埋め尽くします。
人の濁流は、そこここの飯屋や弁当屋に吸い込まれていきます。
当然ながら、どの店もサラリーマンで占拠されてしまうのです。
「昼食難民」が流浪する新橋の昼時にあって、いつ行っても空席にありつける店というのは有難いものです。
「緒方」はそんな一軒。
なにせ、ここは昼でも高い。
ランチのちらしやサービス握りはありません。
お決まりは7000円超です。
おいそれとは行けませんが、予約は不要、いつでも満足のいく寿司を堪能できます。
まず出だしのトロ2貫がいつも見事。
春は、上モノの鯛や昆布締めしたさよりが続きます。
生の鯵はいつも質が安定しています。
赤貝も肉厚で見事。
塩で食べる穴子もたまりません。さすがに酒が飲みたくなりますが。
姿も美しいコハダなどを食べた後に、フィナーレは中落ちの手巻き。
香り高い海苔とたっぷりの中落ちは、何度食べてもうまいものです。
テンポよく握ってくれるので、所要時間はごく短いですが、至福の時を過ごせます。
西新橋でもっとも客が少ない部類でしょうが、満足度は最高レベルです。