家飲みで、またびっくり | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

わたくしごとで恐縮ですが、スペインが大好きです。
スペインの生ハムは、クロアチア・ダルマチア地方の極上物に次ぐ存在として愛好しています。
バスク地方には2度訪問。セビリアや南の小さな町々も楽しく旅をしました。

しかし、ことワインとなると「悪くないけど、名前を記憶するほどではない」といった認識しか持ち合わせていませんでした。
超有名な「ベガシシリア・ウニコ」も、パリの酒屋で99年に1度だけ、1985年物を600フラン(1万2千円くらい)で買って飲んだきり。「えらく濃くて硬いワインだなあ」というくらいで、あまりパッとした印象も残りませんでした。

ところがです。
そのベガシシリアのオーナー家が作る別ブランドのワインを飲んでびっくり。えらく旨いのです。

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アリオン[2004]年・ボデガス・イ・ビニェドス・アリオン 。
件のベガシシリアは値段も質もスペイン最高峰のワインと言われていますが、オーナーのアルバレス家が1992年に立ち上げたこのアリオンは、当初わずか11ユーロで売られていたのだとか。
これは去年、7000円くらいで購入しましたから、値段は上がる一方のようです。

それもそのはず。良くできています。
テンプラニーリョという品種のブドウ100%だそうですが、黙って出されたらボルドーの銘醸ワインと見紛う香りと味です。

濃紫をした色。
抜栓直後は、樽からくるバニラなどの香り。
しばらくすると、赤い果物を煮詰めたような芳香に、スパイスのニュアンスが加わります。ジローフルでしょうか。

当初は荒れて落ち着かない印象でしたが、しばらくするとまとまった飲み口に変わりました。
同じく赤い果物のほのかな甘みと、良く熟したブドウの凝縮感、生のザクロのしぼりたてジュース(昔カブールで飲んだ)のような味わい。
ただ、ぶどう品種の特性でしょうか、タンニンは後口にザラっとしたものを残します。

あと5年~10年はうまく熟成していくでしょうね。
思わずネットで再購入してしまいました。
スペインワインも恐るべし。わたくしの中で、脱フランスがマイブーム化しております。

ちなみに一緒に食べたものは、以下のとおり。

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前菜は、適当サラダ。

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2品目は、湘南産のホウレンソウとベーコンの炒め物。

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メインは、これもマイブームのカスレ風豆煮込み。
足腰の強靭なワインとは、なかなかの勝負となりました。

アリオンのうまさに唸りながらの夕餉でした。