




目黒駅から歩いてすぐの立地(ただしちょっと分かりにくい)。
カウンターがメインの現代的バル風の内装。客入りも非常に好調のようで、店内には良い活気がみなぎってます。
うまいもの、うまい酒を出している店ならではの雰囲気です。
料理はタパス風のつまみから肉類のグリル、パエジャなどの締めのものまで、各種充実していて、しかも手ごろな価格。ただし、1品の量はそんなに多くないので、注文して、食べて、また追加、というのを繰り返すことになります。これはこれで、楽しい。
さて、その料理ですが、べたべたのスペイン風ではなく、どこかにちょっと日本的創意工夫が施されているものが多いです。
まずおいしかったのが、豚耳と豚足のコールスロー。
キャベツサラダに、細かくした耳と足を混ぜたものです。
コラーゲン愛好家にはたまりません。コールスロー革命です。豚好きな方は、ぜひ一度試してみていただきたい。
「ものは試し」と注文した千代幻豚の「日本の生ハム」は、イマイチでした。
身が硬く、パサついていて、脂が少ない。もっと脂をつけて切ってくれないと、豚本来の味わいが楽しめません。
「白子と白菜の春巻き、柚子風味」は、イブ・ルーファンのシャンパーニュにぴったり。
白子がトロ、白菜がシャキ、皮がパリ、の食感三重奏が面白いです。
この日、出色だったのは「新生姜の肉巻きフリット」。
新生姜の少し淡い風味を薄切り肉とフリットの脂がバランス良く受け止めて、一体感のある料理になってます。見事なアイデア料理。
同じくフリットでは、「鴨と柿のフリット」というのも食べてみました。
これまたうまいし、シャンパーニュにドンピシャです。
火が入っていよいよ甘い柿と、「果物は友達」の鴨肉のコンビ、大変結構です。
メインは、短角牛や千代幻豚などいろいろなローストものがある中で、「羊の自家製ソーセージ」がひときわ目を引いたので試してみました。
かなり肉肉しいソーセージなのですが、脂っ気が少なく、パサつき気味なのが残念。
羊香もパンチがなく、オリエンタルなハーブ使いもなくて、単調な味わい。
要改良です。
所々難点はありましたが、総じていえば楽しく飲み食いできる佳店です。
渋谷の「ボングーノウ」が姉妹店ときいて、納得がいきました。
経営者はかなりセンスがある人でしょう(誰か知らないけど)。
カウンターは狭苦しいので、接待等には向きません。
気の合う友達と「しこたま飲もう」という時に使うと良いでしょう。
近所にあったら常連になりたくなるお店です。
キッチン セロ (ワインバー / 目黒駅、白金台駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5