フィデリテ 鎌倉 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

★★★★☆
オープンキッチンはやや雑然として、店内も垢抜けません。サービスはいつもテンパってます。しかし、出てくる料理は親しみが持てるものばかり。コツコツ手間をかけた仕込みの努力が、皿から伝わってきます。女性料理人も男性サービスも、もう一段、上を目指して頑張ってほしいものです。



2度目の訪問。前回も料理には好印象でした。
気温が下がらぬ秋の夜。入口側は窓全開で解放感がありますが、キッチン内は相変わらず雑然とした状態。
サービスのお兄さんも、冷凍庫の食材をまさぐったり、ハイアールのワインセラーをゴソゴソしたりで、例によって落ち着きがありません。一生懸命なのはいいのですが、忙しさが顔に出るとどうもいけません。

しかし、料理の方は、またしても悪くありません。

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1300円の骨太サラダは、相変わらず充実のボリュームです。
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サンマのマリネ、まずまずです。スモークの具合がちょうどよい。
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こちらは自家製のハム。仕込みも大変ですよね。味はまあまあ。
他にパテドカンパーニュ、栗とイノシシのリエット、レンズ豆のサラダ、野菜のマリネ入りです。

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こちらは自家製ベーコンとじゃがいものカリカリサラダ。
ベーコン、いい味です。ジャガイモも上手に揚げていて、この形のイモとしては秀逸です。これで800円。

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これはお見事、仔羊のソーセージ。700円ポッキリ。良くやりよるもんです。香辛料の使い方が絶妙。クミン、コリアンダーあたりでしょうか。肉の味がしっかりしながら、ジュワっとジューシーに仕上がっています。これが入ったカスレは美味いんでしょうね。今度試してみます。

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この店の最高級品、和牛のポワレ、赤ワインソース。2800円。焼き方がまずまず。ソースもきれいで、味もしっかりしてます。

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仔羊すね肉のトマト煮。2200円。立派なすね肉を、これまた上手に煮ています。ホロホロと崩れるような肉と、所々のゼラチン質がとてもおいしい。クスクスをトマトの煮汁にからめて、肉と一緒に頬張ると、何ともいえません。ワインをギューッと流し込むと、鎌倉にいることを忘れてしまいそうです。童顔無表情のシェフは、いったいどこでこんな料理を覚えたんでしょうか。これもまた次回も食べたい一皿。
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メニューには「マグレ鴨のロースト」と書いてありますが、マグレは鴨の胸肉のことで、鴨の品種じゃありません。でも、そんなことも大目に見ます。シンプルなローストですが、ちゃんとしてました。

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フォンダン・ショコラ。バニラのアイスも含めて、良くできてます。

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クレームキャラメルもすごくおいしい。濃厚なねっとり感が、他所のと違うところです。ついついおかわりしたくなります。シェフ一人で、ここまでやれば立派なものです。


料理に関しては、安いのに質が高く、派手さはないものの、基本がしっかりしています。
仕込みで手抜きをせず、端々まで手をかけているのが良くわかります。
ワインは手頃で気の置けないものを用意しており、料理と釣り合っています。

夜、4~5組の客でテンパってしまう現状をどうするか。それが課題でしょうか。

機会あらば、ちょいちょい行きたいお店です。

フィデリテ:http://fidelite.biroudo.jp/