ピッツェリア・サバティーニ 青山 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

★★★☆☆
バブル時代に輝いていたサバティーニ系列の安価版。80年代初頭では珍しかった石窯ピッツァも、今ではごく普通になってしまって埋没著しい状況です。ただ、隣のリストランテのおかげで、ワインリストは立派です。


ゴチになる会だったので、先様お任せの展開だったのですが、出てきたワインにびっくり。

・Masi Amarone Della Valpolicella Mazzano 1999

いったい、いくらしたんでしょうか。
値段はともかく、デキャンタージュしてグラスに注がれて、さらにびっくり。すごい香りがテーブル中にフワーッと広がっていくじゃありませんか。スグリのジャムのような、甘美な香り・・・。

濃く深い色ですが、エッジに茶色が浮かび、飲み頃感が出てます。
グラスに鼻を近づけて、うっとり。
一口ふくんで、さらにうっとり。
干しブドウ、干したイチジク、黒いベリー系、エスプレッソ、ブラックチョコなどなどの味と香りが口と鼻と脳の中に満ちていきます。

「陰干しワインなんて邪道」と、これまで敬遠してきた自分を恥じました。
そんな私を憐れんだのか、先様はさらなるアマローネの世界へといざなってくれたのです。

2本目、Ca la Bionda Amarone Della Valpolicella Classico 2006

順序が逆だと良かった、などと贅沢を言ってはいけませんね。
前が重厚だった分、相対的にすっきりした印象が否めませんが、しかしこれだって複雑な濃さを持ってました。過熟感がやや強めでしょうか。そのかわり、ざらつくようなタンニンはなく、食中でも楽しめます。

さらにさらに、3本目。
Masi COSTASERA AMARONE VALPOLICELLA 2006

なるほど、これは今飲んでもうまいし、20年後に飲んでもうまいでしょう。
完熟したチェリー、黒ベリーのジャムの香りがプンプン。舌で転がすと何とも言えない甘みが味蕾に沁みていきます。4種のチーズのピザの、溶けたゴルゴンゾーラと響き合いました。

さて、料理ですが、まあ、こうしたワインの前では、多くを語ることもないでしょう。
どこにでもある日本風の前菜盛り合わせと、生ハムのパスタ。
この店の海の幸スパゲッティーは、悪くありません。
ピザは、ワインのアテに丁度良かった。

とにもかくにも、アマローネ再認識の一夜となりました。感謝です。