ラ・リューン 麻布十番 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

★★★★☆

一部ブログや食通の間で好評を博している「ラ・リューン」。
ホームページを見る限り、食材に対するシェフのこだわりを感じるので、試しに初訪問してみました。

麻布十番といっても、赤羽橋寄りで、路地を一本入った立地。
オープンから9年が過ぎ、店内の所々に月日の跡が見てとれますが、居心地の悪いことはありません。

夜の料理は、3コース。
前菜2品とメイン、デザートが選べるプリフィックスで6090円(細かい・・・)にしました。
ちなみに、サービス料10%がのってきます。

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最初に出てきたのは、何とミニチュア・トマト。ただの小さなトマトです。本当に、ただのトマトでした。

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次いで、パンと一緒にリエットとオリーブ。リエットは、茶色がかった色で、つぶし過ぎない適度な肉感。オリーブは寝ぼけた味で、好きなタイプではありません。

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アミューズに、何と稚アユのフリットが登場。緑のガスパチョというのが、ソース代わりに添えてあります。こちらはグリーントマトにオクラなどのネバネバが入ったもの。独特ですが、いい味です。稚アユは、腹のところがほろ苦く、衣はサクサクで上手に仕上げてます。

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こちらはご自慢の前菜。「雲丹とトマトのソルベ 茄子の煮浸し コンソメゼリー寄せ ライム風味」。
コンソメゼリーの下が、フランス風の「ウニナス」になってます。煮浸しが非常にいい味。
それとライムの効かせ方が、また絶妙です。ソルベの冷たさが全体を引き締め、良いアクセントに。

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これまた秀作の「蒸しアワビの肝和え」。まるで和のネーミングですが、本当に肝和えなんです。
これが、適度な苦みと塩の利かせ方で、良い味加減。濃厚な白に合うでしょう。

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フォアグラのポアレです。付け合わせは、夏トリュフをかけたじゃがいもと、梅のペースト。
じゃがいもは、外はカリッと焼きあげ、中はしっとりなめらか。フォアグラは、血管が多くて食べにくかったのが残念。梅ペーストは、合わせるワインが難しいようです。

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こちらは、フォアグラのテリーヌ。溶け加減の滑らかさ。

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追加でオーダーした「とうもろこしの冷たいスープ」。マジョラムだったかな?ハーブの使い方がうまいシェフです。

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メインは、ドーセットラムのロースト。オーストラリアですね。これは、ちょっと筋が多く、風味も強すぎで、好みが分かれるところでしょう。フランスの美味いアニョーを知っている人には、ちょっとつらい。野菜類はどれも火通しが上手く、ボリュームも十分です。

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もうひとつメインは、白金豚ロースのポアレ。まるで菜園のような盛り付けですね。豚本来の香りがしっかりしていて、こちらは万人受けがするでしょう。
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デザートは桃のコンポート。まあ、可もなく不可もない一皿。

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こちらはバナナのアイス。パッションフルーツが酸味のアクセントです。

ワインはミッシェル・グロのニュイサンジョルジュ2006年。1万円を切る値段でした。
ブルゴーニュにしては色は濃い目でボディもしっかり。果実味と酸のバランスも良く、ラムにも負けないタニックなワインでした。

2人で3万円を少々切るお会計でした。
6000円と思っていても、追加料金やサービス料が加わり、この値段になります。
同価格帯なら、一足のばせば四の橋に「ラシエット・ブランシュ」があり、あちらの方が料理のレベルは上でしょうか。
野菜たっぷりのフレンチが食べたい時に再訪したいと思います。