コム アン オワゾー  鎌倉 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

★★☆☆☆

このお店の最大の問題は、どこにも表示せず、客が全く知らないまま、最後のお会計でサービス料10%を徴収するところです。はっきりいって、それに見合うサービスとは思えません。料理が悪くないだけに、後味が悪い結末となりました。


おそらく日本だけの飲食ビジネス慣習ではないでしょうか。
消費税より高いサービス料を、飲食店が随意に徴収できるシステム。
料理代金、飲み物代金を10%高く設定すればいいだけなのですが、それをしないで「サービス料」で金を巻き上げる理由は、いったい何なのでしょう?


鎌倉・小町にある、内装も料理もサービスも、ごくごくアットホームなお店です。
高級な調度もカトラリーも使ってません。サービスの女性は一人で、あまりプロフェッショナルな感じはしません。
なのに、最後にサービス料10%。納得がいかない「後出しじゃんけん」です。


料理は6000円のコースを頼みました。
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泉州の水なすのヨーグルトソース、など和の食材を用い、和の食器・箸で食べる気楽なフレンチです。


ハマグリと筍のガーリックバターソースなどは、出来立てアツアツをサーブしてくれます。塩気も良く効かせてあり、ワイン飲みには調度いい加減です。
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フォアグラのフランは、フランの上にフォアグラのソテーとコンソメ出汁のなめこスープをかけた一品。なめことフォアグラという取り合わせは珍しいですが、意外に味のバランスは良かったです。アイデア勝ちでしょうか。
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逆にトウモロコシの冷製スープは、裏ごしをせず、さらに麦を入れたりしているため、口当たりがザラついてよろしくありません。とうもろこしの糖度も低く、寝ぼけた味でした。

魚料理は、夏なのにヒラメ。今はどこでもやっているカダイフ巻き揚げで、味の弱いヒラメを補っていました。他に旬の地魚があろうに、なぜ?という感じです。
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メインは、鴨と鎌倉野菜のロースト。上に空豆のガレットが乗ってますが、味的にはあまり連動性がありません。前半が創意を感じる料理だっただけに、このメインは力尽きた印象がぬぐえない、普通の料理でした。
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デザートの桃のコンポートと生姜のアイスは、生姜の涼味が非常によく、一工夫があって楽しめました。
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ワインですが、まずグラスワインの注ぎ方が本当に寂しい。残量がない白ワインなど、最後は全部注いでしまうのが普通ですが、そんなサービスはしてくれません。値段は1杯700円から800円と安そうに見えますが、量の少なさと10%のサービス料を考えれば、1000円超と考えるべきでしょう。だとすると、コストは悪いです。

お店の経営も大切でしょうが、損して得とれ、という考えもあります。
最後にコソッと10%上乗せするよりも、堂々たる価格設定をして、精一杯のサービスをし、満足して帰ってもらう方がリピート率は上がり、儲けは増すはずです。

サービス料10%を声高らかに宣言するか、撤廃するか、どちらかがない限り、再訪はありえません。