コルシカの旅 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

コルシカ島は、広島県とほぼ同じ大きさの島です。
一部に鉄道も通っていますが、島内の移動は基本的にレンタカーを使うのが一番です。
このレンタカーが、日本人にとっては少々曲者です。
主だった業者全てに問い合わせましたが、なんとオートマ車が1台もないのです。
全部、マニュアル。
確かにヨーロッパの人は、こよなくマニュアル車を愛する人々なので、仕方がないのかもしれません。
が、しかし、島の道路は、山あり谷あり。どこをどう走ってもグネグネのワインディングロードです。
箱根の七曲りとか、六甲山とかの山道が、100km単位で続く感じです。気分はまさに、「サーキットの狼」。
したがって、運転技術は少々問われます。
目的地まで100kmの距離なら、その3倍くらいを走るつもりでいると良いでしょう。

しかし、恐れることはありません。のんびり走ればいいだけのことです。

海沿いのリゾート地には、素敵なホテルが目白押しです。
7・8月は欧州各地からのバカンス客で、大変な混雑になるでしょうね。
高速道路はなく、ほとんどが片側一車線ですので、夏の渋滞は想像するだけでも恐ろしいです。夏の訪問は避けるのが賢明でしょう。

コルシカの歴史は、イタリアとフランスのはざまで揺れてきました。
それは今も、島の諸相に色濃く刻まれています。
言語はもとより、建築や食文化、音楽に至るまで、仏伊両国が混ざり合った香りがします。
「一粒で2度おいしい」旅が、コルシカではできます。

今はEUの時代です。域内を人やモノが自由に行き来し、国境を感じさせない「統合」の時代です。
しかし、コルシカでは今なおフランスからの独立を求める声が絶えません。
道路標識は、仏伊2か国語で書かれていますが、上段のフランス語がスプレーで消されていること、しばしばです。
独立心が旺盛なコルシカ人ですが、経済的にはフランス政府に依存せざるをえないという側面もあるようです。

地理も文化も政治も、ちょっと変わっているコルシカ。
何日過ごしても、飽きることはありません。