その程度のちんけな胸なら、いっそ焼け焦げてしまえ、と念じつつ書きます。
いま東京で最もしっかりしたフレンチを出す店は、おそらく帝国ホテルの「レ・セゾン」ではないか、と思います。
毀誉褒貶、いろいろあるでしょうが、何と言ってもティエリー・ヴォワザンというフランス人シェフが、いつも厨房に立っているところが好感持てます。
名前貸し権利ビジネスのフランス人とは違います。
このシェフ、フランスはシャンパーニュ地方の首都ランスにある名店「ボワイエ」で腕をふるっていたのだとか。かつて私も何度か行きましたが、庭がきれいな良いお店でした。
極東の島国にいつまでいてくれるのか分かりませんが、末長く東京で頑張ってほしいものです。

さて前菜ひとつ目。
手前が赤座エビ(俗に手長エビといわれているやつ)のベニエ(天ぷらもどき)。
奥がタルタル仕立てと鶏肉のティラミス(意味不明)とアンディーブのブルーテ。
えびは、揚げるなら、日本の天ぷらに限りますな。

なんだかエロい泡アワですが、これはビーツの汁。中にあるのはフォアグラ、その上は牡蠣です。不思議な料理。

このシェフ、魚は妙なこだわりがあるようで、フランス産を使っています。
これはヒラメと言ってますが、チュルボ、おひょうという魚です。
日本には、もっとましなヒラメがいるのに。
でも赤ワインのソースは大変良く出来ています。添え物に京人参を使うあたり、良く考えています。

最後は、鳩料理。下の緑はネギのピュレ。鴨ねぎならぬ、鳩ねぎです。
丸い玉は、脚肉を丸めて四万十川の海苔をまぶしたもの。
結構、日本の食材に通じているようです。
食後感は胸やけなど全くなく、すっきり満足でした。
また行けるものなら行きたいです。