休暇を取って八ヶ岳高原へ行った。
八ヶ岳を選んだ理由は特にない。
ただ、今まで行ったことのない山で爽やかな空気を吸いたくなったのだけの理由だった。
永福町から中央高速に乗る。
約二時間で、最寄りの須玉インターに到着だ。
下りた後は、ゆっくりと清里ラインのドライブを楽しむ。
しばらくすると、急におなかが「グーッ」と鳴り始めた。
「どこかお店がないかな」とまわりを気にしながら走っていると、丁度おそば屋さんがみえた。
お店に入ると、お昼を少し過ぎていたからだろうか、お客は少なかった。
店内は、木のぬくもりの感じられる素敵な雰囲気である。
いただいたおそばにも、店主さんの心意気が感じられた。
「スルスル」とあっという間に、美味しくいただいてしまった。
お店を後にして再び走るも、宿へ行くには早すぎる。
そこで、近くにあるダムに行ってみることにした。
清里ラインからそれて細い道に入る。
運転が得意な方ではないので、不安になる。
それでもソロリソロリと進んでいくと、ダムの管理棟についた。
早速、一般の人でもとめられる駐車場に車をとめて外にでてみる。
東京の五月とは大違いである。
「スーッ」とヒンヤリとする空気に包まれた。
たいへんよい山の香もする。
気持ちが「フワリ」と柔らかくなってくる。
天端道路も歩いてみた。
遮るものがなく、視界は「ワーッ」と広がる。
自然に囲まれた最高の景色だ。
辺りを見まわす。
「よし、これなら迷惑はかからない」
念の為に持ってきていた龍笛を「フュー」と思い切り吹いた。
気分は最高だ。
おもう存分楽しんだあと、そろそろ宿へ向かうことにした。
先程の細い道を慎重に運転しながら考えた。
「二日間続けて休みをとったのはいつ以来だろうか」
そして、「次に連休が取れるのはいつになるのだろうか」と。
「無量寿経」に、下記の御記がございます。
『天人たちはみなこぞって天上界にある何百何千もの華や香、何万もの舞や調べを捧げて、〔無量壽〕仏をはじめ大勢の菩薩や声聞たちを供養する。〔天人たちは〕辺り一面に華や香を撒き、様々な調べを奏でながら代わる代わるやって来ては順々に供養し続ける。そうした時に、〔みなが感じる〕たいへん和やかで幸せな心地は、言葉では何とも言い表しようがない』
【現代語訳 浄土三部経 浄土宗総合研究所編p120】
ありがとうございました。