「中古カメラ道」Minolta(ミノルタ)XD~入学祝いとクイズ女王~ | Jinkhairのバイカーへの道

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こちらは香川県坂出市にある理容室「Jinkhair(ジンクヘアー)」のブログです。店主が好きな「80年代HR&HMのアルバム紹介、ライブレポ」や「カメラ」「バイク」のことなど、日々の出来事などを気ままに書いております。

新シリーズ「中古カメラ道」堂々スタート!(笑)

 

というわけで、これからしばらく僕が所有する中古カメラなどを当時の思い出などと一緒に紹介しようという新企画である。

最初に断っておくが、僕はものすごい知識を持ったカメラマニアでもないし、ものすごい高価なカメラを所有しているわけでもなく、ものすごく沢山持っているわけでもない、中途半端なカメラ好きに過ぎないので、もしかしたら間違いや、知識不足を露呈させてしまうかもしれないが、その点はご容赦願いたいと思う。

 

まず僕がカメラ好きになったのは祖父の影響が大きい。

祖父はたいそうなカメラ、写真好きで自宅の2階に暗室をこしらえて自分でモノクロ(白黒)写真の現像や焼き付けなどもしていた。

その暗室には何度か入らせてもらった覚えがあり、お酢のような酢酸の臭いが立ち込める中、白い印画紙に「ボーッ」と画像が浮き上がって来る様は子供心に強い印象を与えるのに十分だったはずだ。

 

ただ、当時カメラは非常に高価なモノであって、子供が気安く触れるものではなかったので、初めて一眼レフを扱ったのは中学の時で叔父さんから借りたCANONの一眼レフだったと記憶している。

 

 

そして念願の自分のカメラは高校入学時に「入学祝」として祖父に買ってもらったこの「ミノルタXD」(1977年発売)なのである。

Minolta XD 50周年記念モデル

(ミノルタはカメラメーカーとしては100周年を迎えることはできなかった…)

 

このミノルタXDは発売当初「世界初の両優先AE搭載機」として話題を呼んだ。

「両優先AE」とは何かということをカメラに詳しくない人に説明するのは少々骨が折れるのだが、せっかくの機会だから…

「説明しよう!(笑)」

 

写真はある一定の光量がフィルム(デジカメなら受光体)に当たって撮影できる。

それを調整しているのが「絞り」と「シャッター」だ。

絞りはレンズ内にあって何枚かの絞り羽根がレンズの絞り環を回すことによって動いて、入ってくる光の量を調節することができる。

「シャッター」はカメラ側にあって、薄い膜が高速で動くことによってフィルムに当たる光の時間を調整することができる。

だから同じ撮影環境であれば、絞りを絞ればシャッタースピードは遅くなり(シャッターが開いている時間が長くなり)絞りを開ければシャッタースピードは速くなる(開いている時間は短くなる)。

もう一つ前の世代のカメラは露出計を見ながらシャッタースピードも絞りの設定も手動でやっていた。

しかしこの頃のカメラでは「AE」といって「絞り値」、もしくは「シャッタースピード」のどちらかを撮影者が設定すればカメラが光量に合わせて「シャッタースピード」もしくは「絞り値」を自動で決めてくれるような機能が定着しつつあった。

それでは、その「シャッタースピード」を優先するのかそれとも「絞り値」を優先するのか。当時はカメラメーカーによって分かれていて、Nikon、PENTAX、OLYMPUS、などは「絞り優先派」。それに対してCanon、Konica、などは「シャッタースピード優先派」だったように思う。

 

「そんなのどっちでも関係ないじゃない!」

と思うだろうが、関係大有りなのだ。

それは何故かというと、シャッタースピードの違いによる写真、絞りを絞って撮る写真と開いて(開放)撮る写真。は写り方にそれぞれ違いがあるからなのだ。

シャッタースピードが遅い場合、当然手ブレや被写体ブレが起こる危険性もあるが、流し撮りやわざとブレさせて動きを出すという技法も使えるし、逆にシャッタースピードを速くして動きのある被写体を静止させて捉えるなど、スポーツ写真などには「シャッタースピード優先AE」が適しているといわれている。

絞りは絞った時と開いた時ではどう映り方が違うかというと「被写界深度」が違ってくる。

「被写界深度」とはピントの合う範囲のことで、絞ればピントの合う範囲は広くなり、開けば範囲は狭くなる。

風景写真などでは絞ればピントの合う範囲が広くなり、ポートレート写真などでは絞りを開放して人物のみピントを合わせて背景をぼかすことで人物が浮かび上がって映る。

このように被写体や撮影シーンによってどちらを優先するかで使い勝手が変わってくる。

そして、それなら両方できた方がいいだろう。という考えでできたのがこの両優先機「ミノルタXD」である。

このミノルタXDはシャッターボタンの周りにあるレバーを切り替えるだけでA(絞り優先AE)、S(シャッタースピード優先AE)、M(マニュアル)を選択でき、また更にSに設定すれば撮影条件が変わって設定のシャッタースピードの範囲を超えると、設定したシャッタースピードも自動で調節し適正露出を得るという、マルチプログラム的な使い方もできる実に優れたカメラなのだ。

しかし、その多機能さとは裏腹にそのたたずまいは実に地味なものであった。

その辺が翌年に発売された両優先のライバル機Canon(キヤノン)A-1にイメージ的に後れを取ることになったのかもしれない。

  (カメラロボット) CANON A-1

A-1はとにかくカッコよかった、XDが秒間2コマのワインダーしか用意されていなかったのに対してA-1は秒間5コマのモータードライブが用意されていたのも大きかった。

 

このXDで高校入学時から大阪に出てから30代でオートフォーカスカメラを買うまで実に色々な写真を撮った。

 

妻と結婚前に旅行に出かけ、色々撮ったつもりがフィルムが正しく装填されていなくて一枚も映ってなかったというド素人並みのの大失態をやらかしたのも懐かしい思い出だ。(XDはそういうことがないようにフィルムが正しく装填されていればここに赤い指標が出るのだが、それも未確認だった)

ミノルタは日本でもKonica(コニカ)に次いで2番目に古い歴史を持ったカメラメーカーである。

この頃はフラッグシップ機の「X-1」を筆頭にこのXD、視度調整機能付きのXD-s、その下位機種として「XG-E」「XG-S」などのXシリーズを展開。

Minolta

      Minolta X-1          Minolta XG-E

更に入門機として1980年に発売された「X-7」は当時熊本大学の女子大生だった宮崎美子を起用し「今の君はピカピカに光って~♬」のBGMとともに大胆にジーンズを脱ぎ捨てるというCMが話題になり大ヒットした。

           Minolta X-7

今はクイズ女王として各クイズ番組で活躍し、auのCMでは「高杉君」のおばあちゃん役もこなす宮崎美子だが、このデビュー当時は本当にかわいい。

僕はこのX-7は所有してないのだが、そのうち安くていい個体があれば購入してもいいかなと思っている。

でも実はカメラ以外に貴重なお宝を持っているのだ!

当時色んなカメラのカタログを集めていましてこのX-7のカタログもあったのだ!

それがこれ!(笑)

これはかなりの珍品ですぞ~!(笑)

どのくらいの値が付くか、ヤフオクにでも出してみようか(笑)

 

 

ミノルタがこの後、どういった運命をたどるのか、それはまた別に機会に譲ることにする。