オランダ視察1日目のテーマは農業です。

九州ほどの広さの国土で1600万人しかいないオランダが、アメリカに次いで世界第2位の農産物輸出国になっています。

今日はその中でも施設園芸農業がオランダ一のウエストランド市を訪問し、担当職員の方からお話をお聞きしました。

{7FEE5102-75CE-45EB-A5B4-102293B2DD19}

ウエストランドで施設園芸農業が盛んになったのはその立地にあるといいます。

近くにロッテルダム港があり、空港にも近いことから食糧流通のハブとして、輸入された食糧などが一旦ウエストランドに集められ、ウエストランドの産物と共に、オランダやEU各国に運ばれていきます。

こうした地域はグリーンポートと呼ばれ、オランダに六カ所あり、生産、加工、仕分け、輸送といった産業をクラスターで集め、効率化を図っていることがわかりました。

見ているのは絶えず国際市場で、イノベーションを大切にしていると話されていました。

というのもEUの他の地域で、より良い生産地や拠点ができたら一気に顧客が奪われるという危機感をもってやっていると。

そうした環境の中、オランダの農業従事者は自立して自己判断で経営をしていかないといけないので、オランダから日本の補助金に守られた農業をみると違いに驚くとのことでした。

しかも日本の多くの農家は作ってJAにおろすだけなので、流通や販売のことは考えず、市場のニーズも調査


また、ウエストランドを含めオランダの農業従事者は、大量生産、薄利多売の事業モデルに限界め感じており、これからはこれまで築いてきた農業技術や機材、設備を日本のような国に売り出していきたいとのことでした。

実際に日本との関係では、高知県や石巻市と交流をしていて、さらにその他の地域とも連携を進めているとのことでした。

デンマークでも聞いてきましたが、オランダでもゴミの焼却熱や工場の排気を農業やってエネルギーに転換しているので、そのあたりの技術はどんどん取り入れるべきだと感じました。

デンマークの方もオランダの方も日本にいったらやりたいことがたくさんあるとおっしゃるので、我々にまだまだ工夫ができるんだと思います。


オランダの農業の話を聞いていてわかったのは、オランダも農業従事者が減っていて、農業は大規模化しており、生産量は増えています。

ただ、それで農家がすべて儲かって、農業従事者ステータスがあがり、若者がどんどん入ってくるかというと、どうもそうではないようです。

売れるものをつくり流通させる産業としての農業という点では、オランダは成功したんだと思いますが、そのまま日本に持ってくればいいというものではなさそうです。

私は話を聞いていると、デンマーク型の農業経営のエリートを作っていくやり方のほうが時間はかかっても日本のためになるのではないかとかんじました。

{C6A6C749-D8A9-45BB-9D61-9D30170F7AC9}

{20868FA8-1761-4AE7-9A31-3FD6AFF390D8}

 余談ですが、今年できたばかりのウエストランド市の市役所はめちゃくちゃオシャレでした。

日本でここまでやるとクレームがきそうですが、市民が来たくなる市役所としてはいいものかもしれませんね。



{57D31E1C-6C56-4DDF-ACC8-52004AC686F7}

市役所のあとは、ランチを兼ねてグリーンハウスを見学しまさした。オランダの園芸施設はすべてガラスでできています。熱効率がいいそうなんですが、、、地震のある日本ではなかなかこれはつくれませんね。


{85A2965B-460B-4939-904F-02A3BEF9FA20}

{5804F530-D8DF-457D-BF5E-0D682A0BDB36}

また海より低い位置にあるオランダ。
地方の水路などをみると、それがよくわかります。

オランダで有名な風車の仕事の一つは、水を組み上げてより高い位置にあげることだときいて納得しました。

{13C7876B-E891-40B5-BE42-CA57B7B44C8B}


午後は今年1月から倉庫を改装して、建物の中でバーティカル・ファーミングをベンチャーでスタートされたGROWXさんを訪問してきました。

これから人口がさらに増えますます都市化が進む世界の中では、どうしても都市農業近くで農業がをする必要があるということでスタートした事業だとのこと。

確かに大量生産の農業を続けてきた結果、殺虫剤や土壌の汚染、運搬燃料から来る価格の上昇などが起こり、良質で安価な食品は手に入りづらくなってきたので、都市型農業もいろいろ考えていかねばなりません。

{D136FAC3-0F9D-47A4-8D6F-753667EB679B}

{03884904-DB62-4A21-8666-FD71187220A7}

養分だけ与えれば、科学薬品や農薬はいっさいつかわなくてよく、水も電気も最小限しかつかわずに安全な野菜がつくれるのは素晴らしいことです。

こちらでは使う電気もすべて風力発電、販売用のトレーもリサイクルして何度も使うとのこと、輸送もすべて電気自動車でと、とにかく省エネでクリーンな農業を目指されるとのことでした。

日本でも実験が始まっているときいていましたが、今回はラボの中にも入れてもらえて、体感できたのがよかったです。

これからの農業の一つの形になるんだろうと感じました。

ただ、自然農法を学ぶ私からすると、土から切り離した野菜には何か違和感を感じてしまうのでした。

{671D9B0C-2AD5-4184-B110-C3FC6596A6AA}

{C9D7F1C0-8788-46D6-9446-3431D2AB2815}

アムステルダム視察初日の夜。

8月にバッテンラーメンをオープンされた、富安さんを訪問し、

オランダでのスタートアップ、子供の学校、社会福祉、アムステルダムのコミュニティー、オランダ人の気質など様々な話を聞かせていただき、これからの視察の指針がもてました!

明日からも頑張ります。