デンマークの視察、最終日の朝は
「レディーファースト」という女性の起業家を支援する団体の皆さんと意見交換。
レディーファーストの大きな目的は、
女性にインスピレーションを与えたい
起業家の発想を女性に持って欲しい
女性に自分はできると思って欲しい
起業家どうしのネットワークの構築
で、
月に一回のミーティングや
テーマを決めたワークショップ
を行なっておられます。
団体に対して行政の補助金はなく、
運営費はイベントなどの参加費で賄う形だとのこと。
日本の女性は出産で退職し、
育児をしながらできる仕事などを考えて起業するケースもありますが、デンマークではそうしたことはないそうです。
なぜなら出産で会社を辞めることがまずないし、そうしたノリでスモールビジネスをはじめる人は少なく、デンマーク女性は、起業するなら世界を相手にやるビジネスを考えてやるそうです。
なぜそうなるかを聞いていくと、
デンマークは被雇用者の権利保護が強い分、経営者になると大変で、経営者には被雇用者のような手厚い保障はないそうです。
ですから起業家になるとワークライフバランスはかなり厳しくなり、自分自身でメリハリをしっかりつけてやらないと、自分の時間はつくれないとのことでした。
お話を聞いて、起業するなら断然日本の方が簡単だと感じましたし、大変だからこそデンマークで起業を目指す方々は気持ちが強いんだと感じました。
ここまで、女性の仕事を支える環境はデンマークの方が手厚いように感じていましたが、起業などを目指すなら日本の方が随分と環境がよさそうです。
今回は日本の女性の起業を支援する団体の方々とご一緒なので、レディーファーストさんとの連携をご提案したら、本当に何か始まりそうです。
素晴らしい!
午後は、
ノボノルディスク社を訪問し、ダイバーシティをテーマにヒアリングをしてきました。
ノボノルディスク社はデンマークに本社を置くグローバル製薬会社で、糖尿病領域、成長ホルモン領域、血友病領域において製品とサービスを提供している企業です。
180ヶ国に市場があり、
従業員数43000人、
これまで2680万の患者に薬を提供してきた大企業。
ノボノルディスク社でも、女性の管理職を増やすために、若いうちから教育をうけさせるとのこと。
女性のリーダーには、男性のようなリーダーシップを求めてはおらず、女性らしいリーダーシップで人を見ながらみんなをまとめていくような能力を期待していると。
管理職になりたい女性は多いのか?と聞くと、実は日本と同じでそんなに多くないとの回答でした。
理由は、管理職の仕事がわからないし、
ライフスタイルが変わることを心配するからだとか。だから若いうちから意識をつくる社員教育をすると。
説明して下さった方がアメリカ人の方だったので、アメリカとデンマークの働く女性の支援を比較をしていただきました。
デンマークの長所
政府の子育て支援
働き方にフレキシビリティーがある
休暇や産休の充実
アメリカの長所
家事代行サービスが充実
ベビーシッターが発達している
トータルではやはりデンマークの方がサポートは充実しているとの判断でした。
なぜデンマーク人は、29歳頃まで企業にはいらないし、短い時間しか働かないのに、企業や国に競争力があるのか?
と聞くと、、
デンマークでは教育の中で、
対話 力や思考力、
クリティカルシンキング、
グループワークの能力が磨かれているので、
デンマーク人は企業の即戦力になるとの回答でした。
アメリカは暗記型の詰め込みだから、クリエイティブな能力ではデンマーク人がすぐれているとの回答。
日本人として考えさせられました。
本日で全ての視察項目を終えたので、
夜は皆さんで集まり研修の振り返りを行いました。
また私の振り返りも含めて帰国後に、ご報告します。