スイス四日目は「教育」をテーマにした1日でした。

朝は6時半にはホテルを出て
ジュネーブ市立の
シークル ド クラデル 中学校を訪問してきました。
{FB0FEFD2-E125-4F82-B83D-5A7A5AFA9B36:01}

設立50年の学校ですが、メンテナンスが行き届いていて、すごくいい設備でした。
ヨーロッパの建築も凄いですね。

日本の木造建築もいいですが、ヨーロッパの古い建物を維持していくやり方も見習いたいところがたくさんあります。

学校の規模は700人で、先生は80人おられます。クラスは習熟度や進路に応じて12~24人で編成されています。
{AA333A38-AFA6-4E46-89F4-9F72062B17C1:01}

授業が始まる前に社会科の先生にインタビューさせて頂きました。
歴史の授業は、
一年で、紀元前3000年~中世
二年が、中世の終わり~19世紀
三年では。20世紀から現代
をやるそうです。

前に視察したオーストラリアやアメリカもそうでしたが、やはり現代を厚くやるんですね。

また、内容では人物の名前や年代 ではなく、
起こった事件の根拠と現代への因果関係を教えて、自分たちの活動が未来をつくることを教え、行動に責任をもつことに重きをおくそうです。

また、自国の歴史には白黒つけないで、よい面と悪い面の両方の捉え方を教えていくとのことでした。

いつも言っていますが、
日本の歴史教育、変えなくていいですか?


学校には教科の先生以外に
常勤のスクールカウンセラーや
進路指導専任の先生もおられます。

スイスでは中学校の段階で進路を決めないといけないので、進路相談の仕事は非常に重要だとのことでした。


授業参観をさせてもらいました。
{9F90D998-8F38-40D4-83B2-C573949E684B:01}

まず移民でフランス語を使いこなせない子のクラス。

習熟度に合わせてかなり細かい指導がなされていました。ジュネーブはスイスの国際都市で移民も多くいます。
彼らに教育をしっかりやってあげないと、彼らは職にもつけなくなります。
外国人への手厚いサポートは日本の一つのモデルをみた気がしました。


2時間目は、職業訓練コースに進学する子達のクラスにいきました!
{718E67F1-7362-4896-9CB3-75F4AB127FE6:01}

みんな親の国籍がバラバラで、先生が順番に生徒の親の国籍を教えて下さいました。
日本ではあまり国籍のことは触れない方がいい感じがありますが、こちらはものすごくオープンでした。

日本のイメージを聞いてみたら、
マンガ
神風
ワーカホリック
美味しい食べもの
だそうです。

神風って、、テロの影響もありますね。

先にも書きましたが、スイスではもう高校から明確な進路選択が始まります。

勉強が嫌い、もしくは苦手な子は職業訓練校に進むため、中学から企業説明会などに参加し、インターン先を決めていかねば、なりません。

なかなかインターンの受け入れ先がすくなくて大変とのことでした。
進路を決めることは大変ではないが、できればもう少しゆっくり学校に通いたい気持ちもあるという意見もありました。

日本の子供は恵まれてますね。

授業参観の後は、校長先生が学校案内をして下さりました。
{6F24C2C6-C871-4018-A4DB-CF6E7E4F0B06:01}
図書館には日本のマンガもたくさんあります。先週のインドネシアにもありました。日本のマンガは世界を越えます!

学校案内の後はなんと1時間半も校長先生が意見交換をして下さいました。


学校で1番大切にしていることは、
子供や保護者とコミュニケーションをしっかりとること。

課題としては、
優秀な生徒の場合、世界の現実を教えて危機感を持たせることだそうです。
なるべく国外に出る機会をたくさんつくっているとのこと。

移民の子供の場合は、
 子供たちの文化的背景を知らないとサポートできないので、それを把握すること。
   
 そして、貧しい子供たちに資格を与えることが大切な仕事だとも。


スイスは、60~70年代にたくさん移民を入れていて、ジュネーブでは先生方も移民の子供がたくさんいる。
たくさん移民の課題はあるが、自分たちは多文化の方が豊かだと思っている。
ジュネーブは多文化の街だが、スイス全体の意見ではない。

義務教育全体では
州ごとのLevelを合わせることが課題としてある。
教育については、85%は国がきめるが、
15%は各州に任されていて、
地域の学習指導要領がある。

学校の先生は人気の職業
地位は中産階級より上で終身雇用。
年収も800万くらいからスタートです。

この他、たくさんの意見交換をしましたが、私は多文化教育、キャリア教育、歴史教育のよいモデルを見た気がしました。

日本の先生方にも現場を見せてあげたいと思いました。交流の提案をしたら、校長先生はOKを下さったので、また帰国して考えます。

4時間半も視察にお付き合い頂き本当に感謝です。
{43E406E5-2F9C-438A-9DA6-91F30327283C:01}

学校視察をアレンジ頂いた、ジュネーブ在住の有村さんからは、

日本の伝統精神は世界に通じる
人格が大切 

というメッセージを!
日本の教育をしっかりやって下さいと思いを受け取りました。
{2358B7D5-3BE1-4AD3-9EE8-E2C3E0FAF267:01}
午後はジュネーブ日本語補習学校をし、
竹内校長先生からヒアリングを!

こちらは水、土の開校で、日本語だけではなく、ちゃんと科目の学習をしています。

幼稚園から高校まで生徒数366名
ジュネーブ州以外からも通学されてます。

校長先生だけが、日本からの出張扱いで
先生はパートタイムでバイト 14人おられます。

運営費は、
保護者からの学費、寄付、外務省、文科省の四者から集め、

運営委員会をつくり学校運営をされています。

日本に帰国することを前提に教育がなされていて、校長先生は日本の習慣、マナー、日本人としてのアイデンティティを大切に教育をされていました。

{7289290D-05E7-4E05-96D5-DB2E60A8DEAC:01}

授業参観もさせて頂きましたが、まさに日本の学校でした。

肌や目の色の違う子供たちが、日本語で授業をうける様子は初めてみるものでした。

教育が人間のアイデンティティをつくることがよくわかりました。
{4BECFC32-20BA-4785-B4BD-D78BAD97F5E0:01}


夜は竹内校長先生とWTOの早藤さん、早藤さんの奥様と会食をさせて頂きました。

早藤さんの奥さんは渡部昇一先生の娘さんとお聞きし、驚きました。

教育や経済についてオフレコの情報をいろいろ聞けました!

{EE634DB6-2349-4AAE-8057-6A5D3D50C8D5:01}

食事のあとは竹内校長先生のマンションの地下の核シェルターに!

スイスには全国民が入れる規模の核シェルターがあるとのこと。

最近までシェルターが法律で義務付けられてたといいますから、凄い国です。
{789E9A23-1CB6-4330-BCE4-953E92B1F9F8:01}

今回の視察最後の訪問はWTOでした!

G1サミットで仲良くして頂いている早藤さんに館内のご案内を頂きました!
{53218B2C-5848-43EA-8E57-CB03FA2132D1:01}

{652EE440-25BA-49DE-9734-CA43FF6F05DC:01}

{22C1117E-9849-4045-9682-827C7A0FB8A9:01}

WTOの中を見学できる貴重な機会でした。

WIPOもそうでしたが、国際機関のオフィスは大変環境が整っています。

日本の官庁ももう少し環境整備が必要かもしれません。

皆さん仕事は8:30~17:30で定時に帰られるそうです。
スイスは店もだいたい19時にはしまってますし、ワークライフバランスを凄くしっかり管理されてます。

早藤さんにはWTOの役割やTPPの課題、日本経済の未来などもの凄くわかりやすくレクチャー頂きました。
{8DDB2BB0-B4A9-45E2-99B2-F2E5025A27AF:01}

最後は早藤さんがこよなく愛しておられるパフュームで締めくくり。

内容の濃い5日間の研修でした。

またホームページにまとめたいと思います。