中国をなだめてきたアメリカもさすがに放置はできなくなった感があります。

ここはベトナム、フィリピンを支え、中国包囲網をつくり、

アメリカ任せでなく、アジアの安全保障に日本も力を入れることを示すチャンスです。

日本が頼りになるところを示し、アメリカと対等の同盟国になれる方向づけだけしていきましょう。 

 軍事の自立は外交の自立。

外交の自立は、経済の自由度をまし、

それが国民生活を豊かにさします。


主張するには、責任を果たさないと。

権利主張だけでは、駄目だと考えます。


日米による中国制圧作戦 共同声明の狙いは「対中包囲網」の構築

2014.5.9 夕刊フジ
 
南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で、中国公船がベトナム船に体当たりするなど同海域が緊迫化するなか、先月の日米首脳会談の成果に注目が集まっている。安倍晋三首相とオバマ大統領による共同声明には、中国と領有権問題を抱える東南アジア諸国への海洋安全保障支援をうたっていたのだ。日米が二人三脚で「対中包囲網の構築」を目指したもので、中国は焦燥感を強めている。
 
中国英字紙チャイナ・デーリーは8日、南シナ海での中越緊張に絡み、最近のオバマ氏アジア歴訪による防衛態勢強化の動きが「ベトナムを勇気づけた」と批判。中国社会科学院の許利平研究員も「ベトナムは日米と協力し武器を増強している」と非難した。
 
中越両国が領有権を主張しているパラセル諸島周辺海域。中国は強引に石油掘削を開始したうえ、掘削中止を求めるベトナム船に中国艦船を体当たりさせたり、激しい放水を浴びせるなど、暴力的威嚇を繰り返している。
 
ベトナム政府はこれまでの友好姿勢を転換し、7日に衝突映像を公開して「(中国に対して)報復もあり得る」などと強硬姿勢を示している。同じく南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンも同日、中国の密漁船を拿捕するなど、南シナ海は“波高し”となってきた。
 
比越両国が、毅然とした対中姿勢を取った背景として、関係国で関心が高まっているのが、先月25日に発表された日米共同声明だ。
 
「発表当時はあまり注目されなかったが、この部分が日米同盟の重要な役割を示している」
 
日本政府関係者はこう述べ、共同声明の一文を指さした。
 
《日米両国は、東南アジアの沿岸国が法執行、不正な取引及び武器の拡散との闘い並びに海洋資源保護をよりよく実施できるよう、海洋の安全及び海洋安全保障のための海洋監視及びその他の能力の構築においてこれら諸国を支援するために連携している》
 
これが意味するものとは何か。
 
南シナ海で中国と領有権を争う比越両国、マレーシア、ブルネイの4カ国は、圧倒的な海軍力を誇る中国と比べ、「大人と子供ぐらいの差がある」(防衛省関係者)のが実情だ。
 
フィリピンのアキノ大統領は4月28日、オバマ氏との首脳会談後の記者会見で「われわれは小さなヘリコプターは保有しているが、米軍のような航空機はない」と窮状を訴えた。
 
こうした友好国に対し、日米両国が“加勢”して、中国の強引な権益確保を防ぐのが、先の共同声明の狙いだ。
 
防衛大学校の神谷万丈教授は「自由で開かれたルールを基盤にした秩序を目指す日米両国にとって、東南アジアは非常に重要な地域だ」といい、こう説明する。
 
「南シナ海は中国の自己主張が過度に強い行動が目立っている場所だ。さらに、東南アジア諸国はまとまると相当な存在感がある。これが中国に取り込まれることのないよう、日米の側に付けておかなければいけない」
 
ケリー米国務長官は昨年12月、東南アジア諸国に総額3250万ドル(33億5000万円)の海上安保支援を表明した。オバマ氏も先の米比首脳会談で新軍事協定を締結し、22年ぶりに米軍がフィリピンに回帰することが決まった。
 
オバマ政権はアジア太平洋に重点を移すリバランス(再均衡)政策を掲げており、安倍首相率いる日本政府もこれに呼応している。
 
安倍首相は昨年12月、フィリピン沿岸警備隊に巡視船10隻を供与することで合意。ベトナムにも巡視船供与に向けた協議を開始することで一致した。3月には岸田文雄外相が、政府開発援助(ODA)の長期戦略を定めた「ODA大綱」を11年ぶりに見直す方針を表明。軍組織へのODA供与を禁じた規定の見直しも視野に入れており、実現すれば、日本の安保支援がより強化される。
 
前出の神谷氏は、共同声明の冒頭に、日本の「積極的平和主義」と、米国の「リバランス」が掲げられていることに注目し、「日米が手を取り合ってやっていくという決意表明をしている。財政難の米国は自分だけではできないので、日本の役割を期待しているということだ」と解説する。
 
安倍首相は今月6日、訪問先のベルギーで行った演説で中国を名指しして「国際社会の懸念事項」としたうえで、「世界平和のため、(日本は)これまで以上に積極的な役割を果たす意思と能力がある」と強調した。
 
東南アジア諸国への支援は、この言葉が口先だけではないことを証明するものといえそうだ。
 

沿岸警備隊のゴ・ゴック・トゥー副司令官は9日、同国と中国の艦船の衝突が起きた南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近の現場海域について「展開している中国艦船の数はこれまでに伝えられた通りで変わっていない」と述べた。双方のにらみ合

 
日米に「あれこれ言うな」 中国、ベトナムが衝突と強調
2014.5.9 18:56
 
南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近で中国とベトナムの艦船が衝突した問題で、日米などが中国側の行動に懸念を示したことについて、中国外務省の華春瑩副報道局長は9日の記者会見で「いかなる国も妨害したり、あれこれ言ったりする権利はない」と反発した。
 
華氏は、ベトナム側が8日夜までに、中国の公船に「180回余り衝突した」と主張。「ベトナム側は中国の主権を尊重し、挑発的な行動をやめるべきだ」と要求した。
 
米国務省が、中国が西沙諸島近くで石油掘削作業を始めたことを批判する声明を出したことについて、華氏は「事実を無視した、無責任で誤った言論」と反発。
 
菅義偉官房長官が「中国の一方的活動」と憂慮を表明したことに対しても「困っているときにつけ込んで(中国に)危害を加えようとしている」とした。(共同)
 
 
中国包囲網へ 日本政府、ベトナム、フィリピンと連携強化
2014.5.9 18:38 

3日、南シナ海でベトナム船(右)に向けて放水銃を発射する中国船(左)(ベトナム沿岸警備隊提供・ロイター)

 
政府は9日、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島近くで中国とベトナムの船が衝突した問題を受け、被害を訴えるベトナムとの連携強化に乗り出した。南シナ海のスカボロー礁で中国と対立するフィリピンや、同盟国の米国とも緊密な意思疎通を図る。沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国をけん制するため、国際社会と「対中国包囲網」を形成する狙いがある。
 
岸田文雄外相は9日の記者会見で、衝突について「中国による一方的かつ挑発的な海洋進出活動の一環だ」と強調。「中国はベトナムと国際社会に、自らの活動の根拠を明確に説明すべきだ」と述べ、ベトナムを後押しする姿勢を打ち出した。
 
政府開発援助を使ったベトナムへの巡視船供与計画の実現に向け2国間調整を加速させる方針だ。フィリピン支援でも、昨年7月に巡視船10隻供与を表明した安倍晋三首相の意向を踏まえ、沿岸警備隊の能力向上へ全面協力する。
 
 
米国は舵を切った 新たな冷戦構造が変える世界経済、中国にバブル崩壊の危機
2014.5.9 17:08 
 
経済とは中国の古典に登場する「経世済民」の略語だ。つまり、「世を経(おさ)め民を済(すく)う」こと。そして、経済と安全保障は切っても切れない関係にある。国家の使命は国民の生命、安全、財産を守ること、これこそが真の意味での経済であり、世を経め民を済うことだからである。
 
現在、一種の冷戦構造が復活し、世界の安全保障が大きく変わりつつある。ウクライナ問題は世界の西側と東側という冷戦構造を復活させた。冷戦における西側、東側の国家の枠組みは前回と同様であるが、そのイデオロギーは、以前のような共産主義と自由主義ではなく、独裁主義と民主主義の戦いとなっている。ご存知のように中国は共産主義ではなく共産党独裁自由主義経済である。そして、現在のロシアは共産主義に失敗し、民主主義にも失敗し、“プーチン大帝”率いる帝政ロシアといっても過言ではない。
 
先日、西側先進国はウクライナ問題を理由にG8からのロシアの一時除名を決めた。そして、資源系企業やプーチン大統領の関係者に経済制裁するなどロシアへの経済的な圧力を徐々に強めている。このような流れの中で中国は今回も西側ではなくロシア側についた。その結果、西側のリーダーである米国と中国の関係は大きく変化した。
 
先日のオバマ大統領のアジア歴訪にそれは如実に現れている。日米共同声明により、尖閣諸島(沖縄県石垣市)は日米安全保障条約に含まれるとした上で、東シナ海及び南シナ海への領土拡大を進める中国を批判し、同時に中国の一方的な防空識別圏設定を批判した。これはこれまで中国への批判を避けてきた米国の方針が大きく変わったことを意味するだろう。
 
2011年11月、米国は「リバランス政策」を発表し、アジアを再優先するという政策方針を打ち出しはした。だが、中国を刺激するという理由などから、これまで実質的には動いていなかった。しかし、冷戦構造復活後の今回のオバマ大統領アジア歴訪はこれを大きく進めることになるだろう。
 
中国と南沙諸島問題を抱えるフィリピンに米軍駐留を決定し、韓国への15年までの戦時統制権返還を保留した。また、台湾に対しても17年ぶりに閣僚が訪問するなど中国を強く意識したものになっている。また、米国財務省は中国人要人と要人家族の米国内口座の確認を進めている。これは要人に対する経済制裁圧力と言っても良いのだろう。このような動きに対して、中国は米国を強く批判しているが、米側の態度は変わっていない。
 
そして、このような中国と米国の関係の変化は、国際経済にも大きな影響を与えるものになる。米国や西側先進国と対立する国家に投資をする投資家は皆無に近く、多くの投資家が資金の回収を早める事になるからである。さまざまな理由からバブル崩壊がささやかれる中国において、今回の冷戦構造復活はこれを大きく促進する可能性が高いといえる。(経済評論家 渡辺哲也)