最近、国際情勢に注目しています。

安倍総理を親米ポチだという声も耳にしますが、

それでは今回のロシア訪問の説明が難しい。

個人的には、プーチン大統領に力があるうちに、関係の改善をし、

中国を牽制すべきだと思います。



安倍政権のロシア重視外交、どんな意味がある?

2014.2.7 09:00

 安倍首相はロシアのソチで開催される冬期オリンピックの開会式に参加するとともに、プーチン大統領との首脳会談に臨みます。安倍政権は対ロシア外交を重視しているのですが、それにはどのような意味があるのでしょうか?
北方領土問題をめぐる 日露「引き分け」とは?
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[図]北方領土周辺の地図

 安倍首相は昨年4月、ロシアを訪問しプーチン大統領と首脳会談を行っています。両首脳は、北方領土問題について「双方に受け入れ可能な解決策を目指して交渉を加速化させる」ことで一致し、帰属問題に関する具体的交渉をスタートさせることについて合意に達しました。日本とロシアは、太平洋戦争終結前後、旧ソ連が北方領土を一方的に占領したことから平和友好条約を結ぶことができずにいます。

つまり日本とロシアは、国際法上、正式に戦争が終了していない状態にあるわけです。北方領土に関するロシア側のスタンスは強硬でしたが、このところロシア側に変化が見られるようになってきました。安倍政権はこれを最大のチャンスと捉え、北方領土問題という戦後最大の課題の一つを解決しようとしているわけです。

 ロシアが北方領土問題について態度を軟化させている理由は、米国のシェールガス開発と中国の台頭です。ロシアは豊富な天然ガス資源を持っています。当初ロシアは、安定的なエネルギー源の確保を求める日本に対し、天然ガスの輸出を持ちかけることで日米同盟にくさびを入れる戦略でした。しかし、米国で安価なシェールガスの開発が進んだことで、相対的にロシアの天然ガスの魅力が低下してきています。ロシアはむしろ日本対して天然ガスを売り込まなければならない立場になりつつあり、ロシアは以前よりも外交的なハードルを下げてきています。

 中国の軍事的な台頭もこれに拍車をかけています。ロシアと中国は比較的利害が一致していますが、ロシアにとっては必要以上に中国が台頭することは望ましいことではありません。日本と平和条約を結ぶことは、中国との交渉において有力なカードとなります。この点でもロシアが日本に接近するメリットがあるわけです。

 ロシアは、これまで日本側が原則としていた4島一括変換に応じる可能性は低いといわれていますが、2島の返還であれば十分に可能性があると考えられています。もし安倍政権が北方領土問題を解決できれば、それは歴史的な成果であり、長期政権への道筋も見えてくることになるでしょう。安倍政権が狙っているのはまさにその点です。

 ただロシアは人権弾圧など国際的に多くの問題を抱えた国の一つでもあります。日米同盟が微妙な状況となっている今、ロシア側への過度な接近は米国の警戒感を高める可能性もあります。日本は明治以降、米国(英国)、中国、ロシアとの利害関係で常に揺れ動いてきました。ロシアとの微妙な交渉は日本の地政学的な宿命ですが、安倍政権は歴史的成果を前に、今まで以上に難しい舵取りを迫られそうです。
(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)




自然と近づく日本とロシア

2014年2月6日 ワシリー・ゴロブニン, タス通信東京支局

日本とロシアは新たな二国間外交のシーズンを精力的にスタートさせた。両国はほぼ同じタイミングで、首脳の2014年の重要な会合についての方向性を打ち出した。

 さまざまな障害にもかかわらず、安倍晋三首相はソチ冬季五輪の開会式出席を固め、ウラジーミル・プーチン大統領との会談を望んでいる。プーチン大統領も今年の訪日を決めた。


トップ:安倍訪露

 ロシアとの距離を縮めることが、安倍首相の外交課題の一つであることは明らかだ。昨年、4度の日露首脳会談が実現した。安倍首相は日本の首相として10年ぶりのロシア公式訪問を果たした。

 最も象徴的なのは、安倍首相のソチ冬季五輪の開会式出席だ。開会式2月7日は日本では国会開会中というだけでなく、「北方領土の日」である。東京では毎年「北方領土返還要求全国大会」が開催される。

 一時、開会式欠席と2月20日以降の五輪訪問の情報が流れた。だがその後、首相自身が日程を修正し、ロシアとの信頼関係を重視していることを示した。

 安倍首相の父の安倍晋太郎元外相がロシアとの関係発展に寄与したものの、このような行動はロシアへの抽象的な共感からきているのではない。極東の困難な状況において、実利的かつ自然な選択を首相は考えている。

 日本は現在、中国、韓国、北朝鮮とほぼすべての隣国と敵対関係にある。これらの国は特に日本が20世紀前半のアジア侵略に対して、十分な反省をしていないと非難している。

 また、日本は韓国、中国との間でも領土問題を抱えている。この問題は極めて感情的な性質を有しており、中国では、反日デモが行われた。

 ロシアとの良好な関係は日本にとって非常に重要である。安倍首相は、地域外交で何らかの成功を収められるのがロシアだけであることを理解している。

 さらに経済的要因もある。日本の経済界は、自国の製品の需要成長を見込めるロシア市場に、強い関心を持っている。

 ロシアではすでに、日本のほぼすべての大手自動車メーカーの組み立て工場が稼働しているし、13年の両国の貿易額は正式発表はまだだが、過去最大になるのは明らかだ。

 特にロシアのエネルギー資源への関心は高い。福島第1原発事故後に日本国内のすべての原発を停止したため、火力発電所を稼働させるために、大量の炭化水素燃料を必要としている。

 豊富な石油と天然ガスの埋蔵量を誇るロシアは日本に近く、サハリンやナホトカからタンカーで輸送する際に、海賊に襲われる恐れもない。そのため、日本の経済界は、ロシア東部の大規模なエネルギープロジェクトに関心を抱いている。

 多くの要因が日本とロシアの接近を後押ししており、残るは領土問題だけである。領土問題に関する協議は進行中で、両国は解決策を模索することについて話をしている。

東京選定は順当

 森喜朗元首相はあくまでも個人的な意見としながら、領土の分割案や共同保有案などについて発言した。

 平和条約締結に関する協議は、両国の希望により、閉ざされた扉の内側で行われている。それでも、速やかな解決とはならないだろう。

 ロシアは協議において明確な方針を示している。それは領土および平和条約の問題のいかなる解決も、第二次世界大戦の総括に疑義を示すものではないということだ。



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