どれだけ日本が環境保全しようとしても、いかんともしがたいことがあります。

もし、西の方の国で大規模な原発事故がおきたら、、

そんなことも考えて備える必要があるのかもしれません。

島国なので、どうしても日本だけで考えがちですが、人もモノももはやかなりボーダレス。

まだ上手く壁をつくれている方ですが、、

空や海はどうしようもない。

対岸の火事ではないんですね。



平成25年10月22日(火)産經新聞東京版
 
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 中国東北部は20日から21日にかけて深刻な大気汚染に見舞われた。黒竜江省の省都ハルビン市では、十数㍍ほど先の視界も不良とあって交通などに大きな影響が出た。寒冷地の東北部では既に各家庭への暖房の一斉供給が始まっており、暖房のため石炭を燃やしたすすが、大気汚染に拍車をかけたとみられている。近隣国にも不安が広がる中、中国は大気汚染対策にようやく重い腰を上げ始めた。

 PM2・5 
大気中に漂う微粒子のうち直径2・5マイクロメートル以下と特に小さいもの。髪の毛の太さの30分の1と、通常のマスクも通してしまう。主な発生源は工場の煤煙や車の排ガスで、大量に吸い込むとぜんそく、肺がんなどの健康被害が懸念されている。日本の環境基準は大気中の濃度を1年平均で1立方メートル当たり15マイクログラム以下、かつ1日平均で同35マイクログラム以下が望ましいとしている。 

PM2.5大気汚染深刻 中国やっと本腰
北京などに対策費800億円


 【上海=河崎真澄】中国財政省は北京市、天津市、河北省、山西等、山東省、内モンゴル自治区に50億元(約800億円)の対策費を拠出することを決めた。一方、上海市は石炭ボイラー禁止や車両走行規制など187項目の対策で微小粒子状物質「PM2・5」の平均濃度を、2017年までに12年に比べて20%削減する独自の数値目標を定めたが、経済活動にブレーキがかかる事態を危惧する声も出ている。

 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC、本部・仏リヨン)は17日、「PM2・5」など大気汚染物質による発がんリスクを5段階の危険度のうち最高レベルに分類したと公表。大気汚染の深刻な地域で、がん患者が増える恐れがあると警告した。

 来年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)を主催する中国は、首脳会議などを北京郊外で開くことを決めており、国際社会が懸念を強める大気汚染問題で、一定の成果を挙げる必要があると判断したもようだ。

 北京市など北部6地域での対策では、大気汚染物質の排出削減量や汚染管理対策、PM2・5濃度低下の3項目で改善度を競わせる。特に汚染が激しい河北省に20億元を配分する。排ガス規制をクリアしていない旧型車両、石炭ボイラーなどの規制や禁止、汚染物質を放出する重工業型の工場への規制を強化する。

 また上海市では、火力発電所で脱硫装置を全面的に配備するほか、汚染物質を排出する工場のリストを公開して対応を求める。

 しかし、石油大手など大量の汚染物質を施設から排出してきた国有企業などから排気対策に反発する動きも出ており、規制の実効性を疑問視する声もある。

かすむハルビン生活へ影響
「10~15㍍先の人の姿見えず」
 
 【北京=川越一】中国黒竜江省の省都ハルビン市を包み込んだ大気汚染は、微少粒子状物質「PM2.5」の濃度が一時、1立方㍍当たり1000μgを観測するなど最悪レベルとなった。21日は市内全域の小中学校が臨時休校になったほか、高速道路も一時閉鎖、空の便も欠航や遅延が続出し
た。

 同市では同日朝、交差点の信号もかすみ、車両は時速20㌔以下のノロノロ運転を強いられた。

中国メディアは「10~15㍍先から人の話し声が聞こえるものの、その姿を見ることができなかった」「薬局では、マスクを買い求める人の行列ができた。かつてこんなことはなかった」と報じた。

 公共交通機関でも運行停止や運行間隔を広げるなどの対策が取られた。現地からの報道によると、この事態に乗じて、勝手に運賃を値上げするタクシー運転手も現れた。通常約100元(約1600円)の目的地まで、200元(約3200円)を要求。高速道路の入り口で、「嫌なら降りろ」と選択を迫ったという。

 21日の同市の最低気温は4度で、前日の20日から暖房用の石炭ボイラーの使用が始まった。あるハルビン市民はインターネット掲示板で「市内には大小合わせて数万本もの煙突がある」と指摘した。

 山東省青島在住のハルビン市出身者は「幼い頃の記憶は美しかった。祖国の素晴らしい山河はどこも汚されている」と嘆いた。一方、ある北京市民は「これも汚染と呼ぶのか? 北京は毎日こんな様子だ」と、自虐的なコメントを寄せていた。

日本へ飛来 冬場に本格化

 中国でPM2・5による大気汚染が深刻化する中、日本への影響はどうなのか。環境省は、風向きの関係から現状では日本へ飛来する頻度は低いとみているものの、「冬になり北西や北からの風が吹くようになると、頻度が高くなる恐れがある」として飛来本格化に向け対策を急いでいる。

 同省によると、夏場や秋にかけては日本列島へ南からの風が吹きやすいため、中国からの影響はほとんどないとみられる。だが冬場になると、春先に黄砂が飛来するのと同様、北西風や北風の影響が懸念される。

 同省は2月、大気中濃度が早朝に85μgを超えると1日平均で1立方㍍当たり70μgを超えると予想されるとして、都道府県が住民へ外出自粛を呼びかける暫定指針を決めた。だが、同省が3~5月の各地の状況を調べたところ、朝は85μgを下回ったのに1日平均では70μgを超えた例が8件あった一方、朝は高濃度で注意喚起をしたのに1日平均では指針値を下回った例が10件あるなど、予測手法に問題があることが分かったという。同省は、自治体が的確に注意を呼びかけられるよう、年内をめどに手法の見直しを進めている。


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